伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

茉莉七仙女


 【茉莉七仙女の開花前の姿】


 「茉莉七仙女(モーリーチーシェンニー)」とは、大陸福建省福安で作られていた工芸茶の一種で、ジャスミン緑茶の商品名です。


 販売時には、上記画像のように茶葉を丸めた団子のような形をしています。
 これを、耐熱グラスに入れて、熱湯を注ぐと、茉莉(ジャスミン)の花が七つ繋がって、ふんわりと立ちあがります。


 グラスの中で、七つのジャスミンがふんわり咲いて、ふわふわ綺麗にゆれる姿が七人の仙女を思わせることから、この茶は、「茉莉七仙女」と名付けられました。


        【湯中に浮かぶ茉莉七仙女】


 残念ながら、この「茉莉七仙女」は、2013年を以て製造中止になってしまいました。
 現在、同名で販売されている物も有りますが、茶葉の品質が劣り、花もジャスミンではなくキンセンカなどの別の花を入れており、更に匂いは化学合成の香料で着けている等々、凡そ本物の「茉莉七仙女」とは似ても似つかぬものになっています。


 この可憐にして艶やかな茉莉七仙女に思いを致しつつ、伊賀の秋をご紹介して8月(旧暦7月)最終のご挨拶とします。

            【伊賀山居の秋】

 
  丙申孟秋憶茉莉七仙女  (七言古詩:平水韻下平聲十一尤)


  黄金十里一天秋
  緑樹碧空白雲流
  遙憶茉莉七仙女
  神農來山共淸遊