伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

伊賀の夏祭り

 【盆踊りの風景】


 伊賀は、古くからある田舎町です。
 夏祭りの定番と言えば、勿論盆踊りです。
 8月になると、土日や盆休みの時期には、必ずどこかの町内会で盆踊り大会が開かれています。



 【山の中でのフラダンス】


 盆踊り以外で、近年流行しているのは、ハワイのフラダンスです。
 伊賀は海の無い山国であるにも関わらず、南海の島国のダンスを教える教室もあり、夏になると生徒の発表会を兼ねて、盆踊り会場や商店街のイベントなどで、日ごろの稽古の成果を披露しています。



 【最近、流行り出したサンバ】


 ところが、ここ2~3年のことですが、夏祭りにサンバのグループが参加するようになりました。
 伊賀には、ブラジルから来た技能実習生とその家族が大勢住んでおり、その中には本場ブラジルでサンバのインストラクターをしていた人もいます。
 その先生自身は高齢の為、自ら踊ることはありませんが、ブラジル人だけでなく日本人でも希望する者には無償で振り付け指導をしています。
 その生徒たちが、フラダンスと同様に日頃の練習の成果を披露するため、伊賀の各地で踊るようになってきました。


 昨日、猛暑の中、山の神のお供で、某所で行われたサンバを見てきました。
 踊り子は、7~8人でしたが、どういう訳か殆どが中高年のご婦人でした。
 誰に見られても恥かしくないようなスタイルのワンダムさんやmoliさんのような若い娘は見当たりませんでした。


 サンバには、ブラジルの原住民のように健康的な小麦色の肌が似合うのですが、日ごろ屋内で稽古している爲か、全員肌が白く日本人のように見受けられました。


 山の神が私に訊ねました。
 「あの人たち、日本人みたいだけど、伊賀の人かしら?」


 私は遠くに見える武田医院を指差して答えました。
 『もちろん日本人である。あそこに勤めている人だ。』


 歌舞音曲に無知蒙昧な山の神が、自明のことを聞き返してきました。
 「どうして分かるの?」


 言うまでもないことですが、仕方なく私は答えました。
 『一人残らず、サンバである。』
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 「・・・?」


 【伊賀名張市の武田産婦人科医院】


《子曰く、人知らずして慍(うら)みず、また君子ならずや。 (『論語』学而篇抜粋)》


筆者注:「サンバ(巴西的桑巴)」與「產婆(幫助生孩子的產婆)」

     是日本語的同音異義語「SAMBA」也