伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

雪の朝


   雪朝思
        雪景山人作五言古詩平水韻入聲藥
  山村白銀朝  山村(さんそん)白銀(はくぎん)の朝
  疑是桂花落  
疑ふらくは是れ桂花(けいくゎ)の落つるかと
  擧頭望雲中  
頭(かうべ)を挙(あ)げて雲中を望み
  低頭思水郭  
頭(かうべ)を低(た)れて水郭(すいくゎく)を思ふ


   (口語訳)
    雪の朝に思う
   山村は、白雪の降り積もる朝を迎えた
   これはまるで、月世界に咲くという木犀の花が落ちて来たかのようだ
   頭を挙げて、雪雲の中の月を見ようとしていると
   自然に頭が下がって来て、友人の住む海辺の村のことが思われてくる
   


  伊賀の山は、今朝も雪景色です。