伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

いつでも夢を(始終懷著夢想)

 【吉永小百合と橋幸夫】


 「いつでも夢を」(いつでもゆめを)は、日本の歌手の橋幸夫(はし ゆきお、1943年5月3日 - )と女優の吉永小百合(よしなが さゆり、1945年3月13日 - )のデュエットで、1962年9月20日に 発表された楽曲です。


 佐伯孝夫の作詞に吉田正が曲を付けて出来上がったものですが、この曲は元々ロ長調で書かれていました。
 ロ長調は、ピアノ演奏には適しているようでショパンが好んだロマン派的な調だと言われていますが、五線譜で書くと「調号#」が5個もつくややこしい主調で、読譜が極めて難しく、大半の楽器演奏では気が変になりそうなほどの面倒な曲調です。
 「愛燦燦」「明日があるさ」「君のひとみは10000ボルト」などがロ長調ですが、ハ長調より半音下の音階なので曲調に珍しさを生じ、大ヒットにつながる場合もあります。


 この楽曲の録音にあたっては、橋と吉永は二人とも当時絶大な人気を誇っていたため、超多忙なスケジュールを合わせることが出来ず、止む無く別々にレコーディングしてその音源を一つにミキシングする手法が取られました。
 ところが、プロの歌手ではない吉永は、オーケストラの演奏するこのややこしいロ長調で歌うことが出来ず、急遽半音上げてハ長調に移調したと言われています。
 当然ながら、橋は何ら労することなく吉永に合わせて演唱しています。
 従って、現在使われている「いつでも夢を」の楽譜はハ長調で伝わっています。


 当代の二大人気者により演唱された初デュエットは、発売から1ヶ月で売上30万枚という驚異的な記録をたて、半年すぎた翌年5月には100万枚を突破、最終的な累計売上は260万枚を超える大ヒットとなっています。


 この楽曲はその年の第4回日本レコード大賞の大賞を受賞し、1962年のみならず日本の高度成長期を象徴する楽曲となって日本国民に愛された歌として、長期に亘り人気を保っています。
 また、長年に亘りテレビの各番組で流され、この楽曲へのリクエストも多いことから、発表当時まだ出生していなかった若い年齢層にもよく知られている楽曲です。


 今回は、1962年12月27日に開催された第4回日本レコード大賞時の音源でご紹介します。



 いつでも夢を 
 始終懷著夢想


           作詞:佐伯孝夫  作曲:吉田正  演唱:橋幸夫・吉永小百合
(橋幸夫)
星よりひそかに 雨よりやさしく
あの娘はいつも 歌ってる
声が聞こえる 淋しい胸に
涙に濡れた この胸に

比星星還要神秘,比雨還要溫柔
那個姑娘時常在歌唱著
歌聲裡能聽到寂寞的心靈
充滿淚水的這顆心


(合唱)
言っているいる お持ちなさいな
いつでも夢を いつでも夢を
星よりひそかに 雨よりやさしく
あの娘はいつも 歌ってる

歌聲說著要一直持續下去哦
要像這樣懷著夢想 要像這樣懷著夢想
比星星還要神秘,比雨還要溫柔
那位姑娘時常在歌唱著


〔間奏〕


(吉永小百合)
歩いて歩いて 悲しい夜更けも
あの娘の声は 流れ来る
すすり泣いてる この顔上げて
きいてる歌の 懐かしさ

走著走著 就連悲傷的深夜
也會傳來那個姑娘的歌聲
抬起啜泣著的臉龐
聽到了那懷念的歌聲


(合唱)
言っているいる お持ちなさいな
いつでも夢を いつでも夢を
歩いて歩いて 悲しい夜更けも
あの娘の声は 流れ来る

歌聲說著要一直持續下去哦
要像這樣懷著夢想 要像這樣懷著夢想
走著走著 就連悲傷的深夜
也會傳來那個姑娘的歌聲


(合唱)
言っているいる お持ちなさいな
いつでも夢を いつでも夢を
はかない涙を うれしい涙に
あの娘はかえる 歌声で

歌聲說著要一直持續下去哦
要像這樣懷著夢想 要像這樣懷著夢想
將悲慘的淚水化為 喜悅的涙珠
那個姑娘改變 根據歌聲…


(バックコーラス)
あの娘はかえる 歌声で…
那個姑娘改變 根據歌聲…




いつでも夢を/吉永小百合・橋幸夫



 おまけ:橋幸夫の独唱版▼

いつでも夢を 橋 幸夫 昭和歌謡