伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

陣陣春風柔(そよそよと吹く春風は穏やか)


 「陣陣春風柔」は、アジアの歌姫と称された鄧麗君( テレサ・テン、1953年1月29日 - 1995年5月8日)が、1979年に発表したアルバム《甜蜜蜜》に収録している楽曲です。


 この曲は元々、1969年に日本の歌手森進一が発表した楽曲「花と涙」の台灣華語による替え歌です。
 曲は日本の宮川泰(みやがわ ひろし、1931年3月18日 - 2006年3月21日)の原曲ですが、歌詞は北京の莊奴(別名:黄河、1921年2月22日-2016年10月11日)が原詞の「花と涙」とは全く別物の詞を付けています。


 台灣華語の歌詞は前節と後節の2節からなり、前節で春風の中での別れを詠じ、後節で春風の中での再会を詠じています。
 漢文には基本的に時制がありませんので、この歌詞も複数の解釈が可能です。
 同じ年の春に於ける一組のカップルの別れと別の一組の出会いを詠じたものと解せないこともありませんが、伊賀流解釈としては同じ一組のカップルの去年の別れと今年の再会を詠じたものと見做して和訳しておきます。


 なお、動画では鄧麗君が「陣陣春風柔」と「花と涙」の2曲を演唱しています。



 陣陣春風柔
 そよそよと吹く春風は穏やか
                     作詞:莊奴 作曲:宮川泰 演唱:鄧麗君
(前節)
又是一年芳草遍地 陣陣春風柔
也正是我和你離別的時候
青山不改 綠水長流
我倆要把這句誓言牢牢記心頭
只等到再相聚首 只等到我倆再相聚首
又一年春風柔

またその1年香りのよい草が大地に生い茂り そよそよと穏やかな春風が吹いていた
またその時は私とあなたの別れの時
青い山は変わることなく 緑の水は永遠に流れている
私たち二人はあの誓いの言葉をしっかりと胸のうちに覚えている
ただ互いに再会の日を待つことを ただ私たち二人が互いに再会の日を待つことを 
また1年穏やかな春風が吹いていた


(後節)
 又是一年花開似錦 陣陣春風柔
 也正是我和你相逢的時候
 青山不改 綠水長流
 欣喜我倆把這誓言依然記心頭
 到今天又相聚首 到今天我倆又相聚首
 又一年春風柔

またこの1年錦のように美しい花が咲き誇り そよそよと穏やかな春風が吹いている
またこの時は 私とあなたの再会の時
青い山は変わることなく 緑の水は永遠に流れている
喜び溢れる私たち二人はあの誓いの言葉を依然として胸のうちに覚えている
今日こそは再会の時 今日こそは私たち二人の再会の時
また1年穏やかな春風が吹いている


(後節繰り返し)




陣陣春風柔 花と淚 鄧麗君 邓丽君 テレサ・テン Teresa Teng