伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

冬の星座(原曲:愛しのモーリー)

 【オリオン座】


「冬の星座」(ふゆのせいざ)は、1947年(昭和22年)発行の国定教科書『中等音楽』に掲載された文部省唱歌です。
 この唱歌は、2007年(平成19年)に日本の歌百選の中の1曲に選ばれています。


  この唱歌は、1872年にウィリアム・ヘイス(William S. Hays, 1837 - 1907)によって作詞・作曲されたアメリカ合衆国のポピュラー・ソング「愛しのモーリー」(Mollie Darling)の曲だけを使用した替え歌になっています。


 作詞は、日本の作曲家、作詞家、訳詞家、音楽評論家でもあった堀内 敬三(ほりうち けいぞう、1897年(明治30年)12月6日 - 1983年(昭和58年)10月12日)が担当しています。
 なお、この曲は、堀内 敬三が作詞するよりも前に国文学者で歌人の中村秋香(なかむら あきか、男、1841年(天保12年)9月29日ー1910年(明治43年)1月28日)が作詞した「他郷の月」が明治時代に発表されています。


 原曲の「愛しのモーリー」が純粋な恋歌であるのに対し、「冬の星座」は清澄な星空を詠ずる叙景歌、「他郷の月」は郷愁を詠ずる抒情歌になっています。


 今回は、「冬の星座」を1980年代にNHK教育テレビの幼児向け番組『なかよしリズム』で、歌のお姉さん「Uちゃん」役を務めた土居 裕子(どい ゆうこ、1958年11月27日 - )の演唱でご紹介します。
 なお、「他郷の月」の歌詞も参考添付しておきます。



 冬の星座
 冬之星座
                 堀内敬三作詞・ヘイス作曲/文部省唱歌(中学一年)
木枯らしとだえて さゆる空より
地上に降りしく 奇(くす)しき光よ
ものみないこえる しじまの中に
きらめき揺れつつ 星座はめぐる

寒風中斷 從冷冽之天空
到地上落下一層 奇妙的光喲
人人皆能休息 在寂静裡
邊閃耀搖盪 邊星座繞轉


ほのぼの明かりて 流るる銀河
オリオン舞い立ち スバルはさざめく
無窮(むきゅう)をゆびさす 北斗の針と
きらめき揺れつつ 星座はめぐる

朦朧亮光 流動的銀河
獵戸座飛舞 昴宿星團喧嚷
指著無窮 北斗七星之針
邊閃耀搖盪 邊星座繞轉
 

「他郷の月」(作詞:中村秋香)


よくと悦(よろこ)ぶ 父母(ちちはは)の君

あれ姉上と 驅(か)け来る妹(いもと)

戀しき我家(わがや)に 嬉(うれ)しや今

歸ると見しは 夢なりけり


宵(よい)の時雨(しぐれ)は 跡なく晴れて

傾(かたぶ)く月に 雁(かり)鳴き渡る

あはれあの雁も またわがごと

別れや来つる その故郷(ふるさと)


↓ お手数ですが、「この動画はYouTubeでご覧ください。」をクリックしてください。

~冬の星座~土居裕子