伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

国民気質(民族学編)


 ある豪華客船が、遠洋を航海中に氷山にぶつかり沈みかけていた。

 救命ボートの数が少なく、乗客の半数くらいしか乗れそうになかった。


 女子供や老人など弱者を優先するのが、海難救助の鉄則である。 

 船長は、苦渋の決断をして、甲板に集まった乗客に呼びかけた。


 「紳士諸君は全員、海に飛び込め!」    すると、イギリス人だけが飛び込んだ。

 「これは、この船のルールなのだ!」    すると、ドイツ人が飛び込んだ。

 「今すぐ飛び込めばヒーローになれるぞ!」 すると、アメリカ人が飛び込んだ。

 「ここで飛び込めば女にもてるぞ!」    すると、イタリア人が飛び込んだ。

 「みんなが飛び込んでいるぞ!」      すると、日本人が飛び込んだ。

 「もう飛び込まなくてもいいぞ!」     すると、最後にフランス人が飛び込んだ。


 船長以外の男たちが一人残らず甲板から姿を消した後、真っ先に救命ボートに乗り移ったのは、船長自身だった。船長は、韓国人だった。