伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

小さなヒーロー

 【6歳のブリッジャー・ウォーカー(左)と4歳の妹(右)】


 米国西部のワイオミング州に住む6歳の少年ブリッジャー・ウォーカー(Bridger Walker)は、7月9日に顔に90針縫う大怪我を負いながら、4歳の妹を猛犬の攻撃から護ったことにより、家族からヒーローとして称賛されています。


 この事件は、ブリッジャーの叔母であるニッキ・ウォーカー(Nikki Walker)が、インスタグラム(Instagram)に投稿したことによりハリウッド俳優を始め多くの人々の知るところとなりました。


 事件当日、たまたま現場を通りがかった叔母のニッキは、ブリッジャーと猛犬との闘いを目撃しました。
 猛犬がブリッジャーの妹に近づき始めた時、彼は犬が妹を摑まえないようにするため犬と妹の間に割り込みました。
 すると、犬は彼の顔と側頭部に噛みつきました。
 彼は、渾身の力で犬を突いたり蹴ったりして振りほどき、妹の手を掴んで一緒に安全な場所まで走って逃げました。


 記事冒頭の画像は、叔母のニッキの投稿に含まれている手術後のブリッジャーと妹の写真です。
 この写真を撮影する時、ニッキはブリッジャーに、なぜ危険な猛犬の前に立ちふさがったのかを訊ねています。
 ブリッジャーは彼女に「もし誰かが死ななければならないとしたら、それは僕だと思った。」と答えています。
 6歳の少年がこのように答えたのには理由があります。
 実は、彼はアメリカのスーパーヒーロー映画「「アベンジャーズ」シリーズの大ファンで、中でも複数のスーパーヒーローを束ねる指揮官のキャプテン・アメリカ(主役クリス・エバンス)を尊敬しているからです。


 叔母のニッキは、インスタグラムの中で「私たちはこの勇敢な少年を愛し、他のすべてのスーパーヒーローたちに、彼らの仲間入りを果たしたこの最も若くて新しいヒーローについて知ってもらいたい。」と述べています。
 この記事を読んだハリウッド俳優から続々とコメントが寄せられています。
 スーパーヒーローの指揮官キャプテン・アメリカからは、「君こそヒーローだ!」と称賛するメッセージ動画がブリッジャーに贈られています。その中で、「君の行動はとても勇敢で献身的だ。妹は君のような兄を持って本当に幸運だ。」と語っています。
 ハリウッド女優のアン・ハサウェイも、自身のインスタグラムに本記事冒頭の写真とともに「あなたの半分でいいから勇気を持ちたいわ、親愛なるブリッジャー!」と投稿して、彼の勇気を称えるとともに、怪我の快復を祈っています。


 叔母のニッキは、その後の経過についても投稿していますが、その中で、「彼の傷はとても良くなってきています! 彼は元気で、彼の素晴らしい人格は無傷です。」「彼はまだあまり顔を動かして笑うことができませんが、私の投稿を見て、彼はニヤリと笑っていました。」と続けています。
 また、甥のブリッジャーの将来の夢が、科学者就中地質学者になることであると附言して、彼を支援したい方は、外出中に見つけた珍しい石の写真を撮って発見場所を付記して送ってくれるように依頼しています。
 現在、世界中から夥しい数の石の写真が、ニッキの許に送られています。
 何故なら、ニッキの動画は、既に「いいね」の数だけでも130万を超えており、閲覧者の総数は、恐らく1000万人を超えているからです。


 アメリカでは、男の美徳は、世の為人の為には身の危険を顧みず勇敢かつ献身的に行動することだと考えられています。
 その勇敢かつ献身的な行動を具現できる男こそが「ヒーロー」として称賛されます。
 この6歳の少年は、紛れもなく真のヒーローなのです。


 今回は「小さなヒーロー」についてご紹介し、併せて彼の傷の速やかな快復を祈って筆を擱きます。
 


 【傷口も順調に快復し、収集した石を前にご満悦のブリッジャー・ウォーカー】



引用元の記事: 記事内にリブログが多くデータ量が過大であるため、伊賀山人が所有しているような旧式パソコンでは画面が固まることが有るので要注意 ▼