伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

梅雨の候、藪蚊に苦しむ


   伊賀之梅雨


  梅雨時節雨紛紛
  路上行人欲除蚊
  借問蚊香何處有
  頑童傍指他人墳



   伊賀の梅雨


 梅雨(ばいう)の時節、雨 紛紛(ふんぷん)、

 路上の行(こうじん)、蚊を除(のぞ)かんと欲す。
 借問(しゃもん)す、蚊香(ぶんこう) 何れの處(ところ)にか有ると、
 頑童(がんどう)、傍(かたわ)らを指(ゆび)さす 他人の墳(はか)



   伊賀の梅雨


 梅雨の季節、雨がしとしとと降りしきっている。

 道を行く旅人(伊賀山人)が、ヤブ蚊を退治しようと考えた。

 歩を休めて、ちょっと訊ねてみた。「君、君、蚊取り線香は何処に有るかね?」

 通りすがりの腕白坊主が、黙って近くにある他人の墓を指差した。


   一点詩作不精緻 m(__)m