伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

空手の帯の色の由来


 空手の帯は、基本的に白帯と黒帯とに分けられています。


 その色の由来については、諸説ありますが、本日は、空手道天神流の考え方をご紹介します。


1 白帯
 これは、空手を始めた者が、最初に締める1級以下の無段者の帯です。
 白色は、純真無垢な「赤ん坊」を表しています。
 即ち、何も知識が無い状態であるため、何色にも染まる事が出来るし、また、あらゆる知識・技能を吸収しうる状態であることを示しています。
 この段階では、間違った色に染まらぬよう、空手の基本に忠実であることが肝要です。


2 黒黒
 空手の技を一通り修得して、本格的に空手家としての修行を始めた者が締める初段以上の有段者の帯です。
 黒色は、何色にも染まらない不動の精神力を身に付け、空手を通して人格を形成し、あらゆる困難を克服して常に頂点を目指す姿勢を表しています。
 この段階から、それまでに築いた盤石な基本の上に自分独自の技を工夫してゆくことが必要になってきます。


3 色帯
 白帯、黒帯の他に、1級以下に緑、紫、茶などの色帯を指定している流派もあります。
 これは、白帯が、稽古を重ねて、少しづつ技芸を修得して、何らかの色に染まり始めたことを表しています。


4 その他
 何物をも吸収する純真無垢な白、何物にも負けない強靭無比な黒、伊賀山人の場合には、白帯2年、黒帯45年になります。
 なお、45年間、何も新しいことを修得していないわけではありません。
 黒帯になって空手修行が完成したわけではありません。真の空手修行は空手の基礎を習得した黒帯になってから始まるものなのです。
 空手道衣の色は、帯の色に拘らず、常に白なのです。