台灣民謠四首
台湾の歌謡は、時期的に大きく3時代に分けられます。
日清戦争以前の清朝統治時代、その後の日本統治時代、大東亜戦争後の中華民国統治時代です。
この内、大東亜戦争以前のものが民謡として定着しているように思われます。
清朝統治時代と日本統治時代とでは、メロディーラインが大きく異なります。
前者は、清の伝統的メロディーで大陸のものと殆ど同じに聞こえます。
後者は、日本の大正から昭和初期にかけての楽曲とよく似た大正ロマンを髣髴させる優美で心和むメロディーになっています。
春風を待ち望む一昨日、台湾のmoli小姐からご紹介を頂いた、戦前に創作された民謡4首をご紹介します。
最初の「望春風」は、誰もが認める台湾民謡の代表曲で、年頃の少女が恋愛に憧れる気持ちを詠ったもので、台湾の第2国歌と言われる程、台湾人の心を捉えています。
2首目の「高山青」は、台湾原住民高山族の少年少女の淡い恋心を詠ったものです。
3首目の「補破網」は、失恋した作詩者自身が、元の恋人に破れた網を繕うようにどうか自分の元へ戻ってきてほしいという願いを託して彼女の前で歌ったもので、これにより二人は元通り仲のよい恋人同士に戻ったと言われています。
4首目の「桃花過渡」は、独身の娘に一年間毎月求愛する男のことを詠っているようですが、現代漢語の慣用句のようなものが多くて、伊賀山人の千年前の漢文知識では、正直よく分かりません。
追記:下方のmoli小姐のコメントをご参照ください。
演奏は、江蘇省揚州出身の人間国宝的二胡奏者朱昌耀先生、超絶技巧により伸びやかに歌うが如く泣くが如く奏でる音色が、昔懐かしくさえ感じられて胸奥に響きます。
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