伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

サボテンの花(仙人掌之花)


 『サボテンの花』は、フォークグループ:チューリップのリーダー財津和夫が作詞作曲しボーカルも務めて、1975年2月5日に発表した楽曲です。


 この曲の内容は、財津自身の失恋体験が元になっており、当時付き合っていた女性が財津の家で靴下などを洗濯したり、花などを活けていたことを思い出して作ったものです。
 この曲は、失恋の曲ではありますが、最後の句では、「恋人に去られてしまっても、春が来たら自分も再び歩き出す」との希望を詠じています。
 曲の最後を「ラララ…」という形にしたのは、冬が終わって歩いて行く先の春の広い空をイメージしたものだと財津自身が述べています。


 レコーディングの際、一番の歌詞「窓に溶けてゆく この雪のように 二人の愛は流れた 」を「窓に降りそそぐ この雪のように 二人の愛は流れた 」と間違って歌ってしまったが、その間違いに関係者の誰も気づかないまま、レコーディングが終わり、そのまま発売されたという逸話があります。
 財津は「歌詞カードがおかしいと思って修正して歌ったら、自分のほうが間違っていた」と後になってから気づいたそうです。
 しかしながら、財津自身の作詞になるものですので誰憚ることもなく、本人は当時間違って歌った歌詞のまま、今でも「窓に降りそそぐ ・・・ 」と歌っています。



 サボテンの花(仙人掌之花)
               作詞・作曲・演唱: 財津和夫


1節
ほんの小さな出来事に 愛は傷ついて   (因為一件小事 愛受到了傷害)
君は部屋を飛び出した 真冬の空の下に  (妳從房間裡飛跑了出去 在嚴冬的天空下)
編みかけていた手袋と 洗いかけの洗濯物 (還沒織好的手套 和洗到一半的衣物)
シャボンの泡が揺れていた        (肥皂泡在輕輕飄擺)
君の香りが揺れてた              (妳的香氣也在飄散著)


絶えまなく降り注ぐ この雪のように  (像沒有停歇的這場雪那樣)
君を愛せばよかった          (去愛妳的話 該有多好)
窓に降り注ぐ この雪のように     (像在窗前紛紛揚揚的這場雪那樣)
二人の愛は流れた           (兩個人的愛也流逝了)



2節
想い出詰まったこの部屋を 僕も出て行こう (我也要離開 這個充滿回憶的小屋)
ドアに鍵を下ろした時 なぜか涙がこぼれた (鎖上房門的時候 卻不禁潸然淚下)
君が育てたサボテンは 小さな花を作った  (妳種下的仙人掌 開出了小小的花)
春はもうすぐそこまで           (春天就要來到)
恋は今終わった              (愛情卻結束了)


この永い冬が終わるまでに        (在這漫長的冬季結束前)
何かを見つけて生きよう         (需要找到些什麼好好地活著)
何かを信じて生きて行こう        (找到自己的信仰 好好地活下去)
この冬が終わるまで           (直到冬天結束)


ラララ…                (LaLaLa…)
ラララ…                (LaLaLa…)







財津和夫——仙人掌之花(1993)