伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

短歌について考える

 短歌(たんか)とは、和歌の一形式で五・七・五・七・七の五句体の歌体のことです。
 短歌の歴史は古く、初出は、古事記に記載されているスサノオノミコトの出雲の国での新婚風景を詠んだ歌とされています。
 その後、平安時代に至って、貴族をはじめとする教養層にとってのたしなみのひとつとなり、主に男女が詠み交わして自らの心境を伝える手段として大いに発展を見ました。
 そのため、現在、短歌といえば和歌とほぼ同義語になっています。


 伝統的な短歌は、自然の風景や出来事、作者の感情などを、文語それも漢語ではなく大和言葉を用いて詠むものでした。


 1987年5月8日、神奈川県立橋本高等学校に勤務する新進気鋭の国語教師であった俵万智(当時24歳)は、『サラダ記念日』という歌集を出版しました。
 その歌集の中で俵万智は日常会話で使われるカタカナを巧みに使い、奔放で斬新な表現と親しみやすい歌風により多くの人々の心を掴み、『サラダ記念日』は歌集としては異例の280万部のベストセラーとなりました。


 本記事冒頭の「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』の1首は、末句が歌集の題名にもなった俵万智の代表作です。


 この歌作のきっかけは、7月7日七夕の日に鳥のから揚げをいつもと違う味付けにしたら『美味しい』と言われたので、『これで今日は記念日だな』と思ったことにあるとのことです。
 あったことをそのまま書いたのでは短歌にはならないということで、爽やかな感じを出すため「から揚げ」を「サラダ」に変え、また、7月7日では七夕と被ってしまうので1日前にずらしたことを俵自身が語っています。


 口語短歌の裾野を一気に広げて一世を風靡した俵万智の短歌は優れたものではありますが、古来、短歌が男女の心情を伝達する手段として発展したこともあり、その影響から「四畳半程度の部屋の中」でのせせこましい出来事を詠んだものが多いように思われます。


 伊賀山人はこの現状に鑑み、従来の四畳半短歌から脱却して、気宇壮大な歌作を目指す「伊賀流短歌研究会」を起ち上げようと考えています。


 以下、習作を1首、読者各位のご笑覧に呈します。
 


「光あれ!」その時神が言ったから ビッグバンの日 宇宙記念日




 「伊賀流短歌研究会」に入会を希望される方は、スイス銀行の伊賀山人の口座に20万ドル振り込んで下さい。

 入金が確認され次第、研究会の設立業務に取り掛かります。