職業適正検査
【伊賀山人の職業適性】
ワンダムさんの記事を見て、伊賀山人もほんのお遊びで職業適性検査をやってみました。
結果は、上記画像のとおりで、昆虫学者か心理学者が適職のようです。
職業適性検査には、様々なものがありますが、その技法は大同小異で、過去の行動様式と、現在の趣味や興味の対象を把握して、将来の適職を予想するものです。
この技法は、統計技法としては間違いではありませんが、その精度を評価する上で三つの大きな問題があります。
一つ目は、過去の行動様式と、現在の趣味や興味が必ずしも職業に結びつかないことです。
例えば、勉学に勤しんでいる学生が受けると、学者や教育者が適職とされたり、あくまでも趣味として音楽を聴いているだけの者が、作曲家や歌手が適職とされるようなことが起こります。
二つ目は、行動様式や趣味趣向は年年歳歳変化することです。
同一人でも若いころアウトドア派であれば探検家が適職とされるかもしれませんが、年を取ってインドア派に変わると事務員が適職とされるでしょう。
三つ目は、数少ない設問(サンプル)から将来の全てを予測してしまうことです。
これは、一種の抜き取り検査方式であり、本質的にサンプル数は多ければ多いほど精度は良くなりますが、伊賀山人の実施した検査では、設問数が僅か31問でした。
この数では、理系・文系を判定するのも困難です。
ましてや、この程度の検査で、細分化した職業を判定するのは、ほぼ不可能と考えます。
例えば、上記判定結果で、昆虫学者が適職となっていますが、これが植物学者や動物学者では不適であるとの証明はできません。
同様に心理学者と哲学者とでは、どちらに適性があるかの判定などは、設問数が数百問でも困難でしょう。
この検査は、非常に精度の荒い検査であり、とても上記画像のような細部の職業を判定できるものではありません。
その証拠に、判定結果には小文字で、医者や技術担当者など全く異質なものも列挙されています。
日本人初のノーベル賞を受賞した物理学者湯川秀樹が生前、職業適性検査を受けたところ、国語の教師が向いていると判定されたそうです。
この原因は、湯川が子供のころから祖父の指導で四書五経などの漢籍の素読をしていたため、その知識が反映されたことによります。
人事担当者が適材適所を狙って、職業適性検査をやるのも構いませんが、多分無意味です。
そもそも学校を出たばかりの新人に適材などはいません。
「立場が人を創る」
殆どの人は、何らかの職に就いてから知識技能を磨き経験を積んで適材になって行くのです。
職業適性検査は血液型性格判断などと同様、世間話のネタとしては面白いのですが、殆どナンセンスなものだと考えておいた方がよろしいようです。
なお、伊賀山人は昆虫があまり好きではありません。
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