伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

観世音菩薩特集最終章

 【片開きの扉】


 片開き(かたびらき)は、扉の開閉の形態のひとつで、1枚の扉を左右のいずれか一方の端部を軸に回転する開き方です。
 この方式で広い開口部を得るためには、扉が大きく重いものになるので、様々な不都合が生じます。


 この不都合を解消するために考えられたのが、観音開き(かんのんびらき)です。


 観音開きは、両開きの一種で、2枚の戸またはそれに類似したものが、それぞれ左右の端部を軸に、中央から左右に回転する開き方です。
 ひと組の開き戸が、左右の戸枠に設けられた蝶番を軸として、中央からそれぞれ逆方向に回転して開閉します。
 片開き扉と比べて幅の広い開口部を得ることができるため、伊賀山人博物院所蔵の大型宝物の搬入・搬出が容易になります。


 「観音開き」の呼称は、観音菩薩像を納めた厨子の多くが、このような形の扉を持っていることに由来します。


 【観音開きの扉】


   ・・観世音菩薩特集~完・・


     南無觀世音菩薩~🙏