伊賀山居漢詩紀行
結盧在人境: 盧(いおり)を結んで人境にあり
人里に庵を結んで住んでいる。
而無車馬喧: 而して車馬の喧(かまびす)しき無し
しかし、車の走る騒々しい音は耳に入らない。
問吾何能爾: 吾に問う何ぞ能く爾(しか)ると
「どうしてそんなことが出来るのか?」と自問してみる。
心遠地自偏: 心遠ければ地自ずから偏なり
「心の持ちようが超然としていれば、 自然と僻地にいるような気分になるのだ。」と自答する。
采菜東籬下: 菜(さい)を采(と)る東籬(とうり)の下
東の垣根のところで野菜を采り、
悠然見南山: 悠然として南山を見る
ふと顔を上げて、ゆったりと南山を眺める。
山氣日夕佳: 山氣 日夕に佳く
山の気配は夕方が特に素晴らしく、
飛鳥相與還: 飛鳥 相與(とも)に還る
鳥は群れをなして巣に還っていく。
此中有眞意: 此中に眞意あり
こんな暮らしの中にこそ真意はあるのだ。
欲辨已忘言: 辨(べん)ぜんと欲して已に言を忘る
それを説明しようと思うのだが、すでに言うべき言葉を忘れてしまった。
擬陶淵明飲酒其五
結盧在人境 而無車馬喧
問吾何能爾 心遠地自偏
采菜東籬下 悠然見南山
山氣日夕佳 飛鳥相與還
此中有眞意 欲辨已忘言
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。