伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

闘病30年



 私事ながら、平成になってからの30年、常に病に悩まされる日々でした。
 この原因は、戦後、国が強制した集団予防接種にあります。
 国家賠償訴訟を提起して国の責任を追及し数年間争った末、一昨年漸く国との和解が成立しました。


 不治の病と闘うというよりも負けないように共存を目指していたのですが、その頃から腫瘍マーカーが増大の一途と成り、昨年末には限界値の200倍を超えてしまいました。
 MRI・CT・エコー(超音波画像診断)・内視鏡など様々な癌検査を行いましたが、原因が分かりませんでした。


 昨日のエコー検査で、漸く肝細胞癌が発生していることを確認しました。
 「有った、有った。見つけた、見つけた。」と喜ぶようなことでもなく、また既に覚悟の上のことでもあり、特に悲嘆するようなことでもありませんでした。


 ただ、病院を出て見るいつもと変わらぬ早春の景色と穏やかな光とが、ひたすら有難く感じられる一日でした。


 5年生存率が50%くらいはあるとはいうものの、これからの余生、一日一日がより貴重なものになると感ずる伊賀山人、本日67回目の誕生日です。



 病中盛年過
 未癒白髮多
 殘軀天所赦
 不樂是如何