伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

PET検査予約


 本日は、奈良の病院で治療方針の総合判断の日でした。


 今日から正式に「ムズい流抜刀術」の先生が主治医となりました。
 治療法選択の優先順位としては、1手術療法(肝切除)、2ラジオ波焼灼療法(RFA)、3肝動脈化学塞栓療法(TACE) の順に決定しました。


 各治療法の比較評価の為の重要な要因は、予後の安定度と治療の難易度です。
 癌周辺の肝臓組織も出来るだけ多く切り取った方が再発の可能度は低くなります。
 また、癌が血管のすぐ傍にあって焼灼療法は血管破壊による出血リスクが大きいことが優先順位決定にあたって考慮した要因です。


 ただし、癌マーカーであるAFPの値が、現在3000を超える高値(正常値は10以下)であり更に増大しつつあることから、既に他の臓器への転移の可能性もあるため、来週PET検査で全身の発癌の有無を確認することになりました。


 PET検査(ペットけんさ)とは、癌を検査する方法の一つで、「陽電子放射断層撮影」という意味で、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(Positron Emission Tomography)の略です。
 癌細胞にはブドウ糖が集まりやすいという性質を利用して、ブドウ糖に似た作用機序を持つFDGと 呼ばれる放射性物質を体内に静脈注射することにより、その放射性物質の「癌」への集まりを画像として見るという検査です。


 理屈としては、全身の癌細胞を隈なく見ることが出来るということになっていますが、実際には費用の割に余り精度の良くない検査のようです。


 国立がん研究センターのがん予防・検診研究センターがある年のがん検診でのPET検査陽性率の解析を行っており、1年間でがん総合検診を受けた約3千人中、約150人に「癌」が見つかっていますが、そのうちPET検査で陽性となったのは15%に過ぎないというデータが発表されています。逆に言うと85%の「癌」がPET検査では発見することができないとも言えます。


 因みに現在のPET検査の診療費は、健康保険が適用できない健康診断などであれば全身検査で約10万円かかります。
 伊賀山人の場合には、多分、保険適用で3万円くらいになると思います。
 その額は伊賀山人の一箇月分の食費に相当する高額なものですので、費用効果の面では余り有効な検査とは言えません。


 それでも、近年PET検査が人間ドックなどでも盛んに使われるようになっている主な原因は、PET設備投資費用の回収にあるようです。
 この設備は一式10億円を下らない高額なものなので、仮に検査費を1回10万円に設定しているのなら、最低1万人は検査しないと赤字になるという理屈です。


 PET検査には、費用の割に余り多くのことを期待できませんが、次回の記事のネタくらいにはなるでしょう。


 今日の昼食は、またカツ丼にしました。


 「己に勝つ!」