子育て母さんのための教育理論(続編)
前回ご紹介した山本五十六の「やってみせ・・・」の訓言には、上掲の書のように続きがあり、3首からなっています。
子供がまだ小さくて、手取り足取りの教育が必要なときには、第1首の要領がそのまま適用できます。
「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば人は動かじ」
ところが、子供が順調に成長し思春期に差し掛かると、次第に母さんの言うことを聞かなくなってきます。
母さんの意見に従わなくても自分で判断できると考え、母さんの干渉を嫌い、母さんを越えようとし、次第に母さんと衝突するようになってきます。
これが反抗期です。この時期には、過保護・過干渉を避けて、子供が自分でできることには手を出さず、子供が自分で判断できることは尊重しなければなりません。
従って、この時期になると、「言って聞かせてさせてみる」要領だけでは、なかなか通用しなくなってきます。
このような時に役に立つのが、第2首なのです。
「話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば人は育たず」
母さんにしてみれば、まだまだ年端もゆかぬ子供の意見など危なっかしくてとるに足らぬものかもしれません。
しかし、そのような時にこそ、よく子供の話を聞き、余程の弊害のない限りその意見を尊重して任せてやることが、子供が親を越えて自立した大人へと成長する第一歩となるのです。
このようにして、子供が順調に、知識・技能・判断力を身に付けて、経済的にも社会的にも自立した大人になると、今度は逆に母さんの方が、新しい機器の使い方などを子供に教えてもらうようなことになってきます。
更に、子供の社会人としての充実・発展を願う母さんの最後の教育法が、第3首なのです。
「やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず」
かくして、母さんの髪に白いものが混じるようになるころには、既に、子供は母さんの自慢の息子や娘となっていることでしょう。
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