推敲について
推敲(すいこう)とは、詩や文章を何度も練り直すことです。
この熟語は、宋代に編纂された『唐詩紀事』という書に記載されている次のような故事が典故となっています。
唐の時代、科挙(官吏登用試験)を受けるために都の長安にやって来た賈島(かとう)が、ロバに乗ったままで詩を作っていました。
その途中で、「僧は敲(たた)く月下の門(僧が月に照らされた門を叩く)」という1句を思いつきましたが、「敲く(たたく)」よりも「推す(おす)」の方がよいのではないかと思い悩んでいて、向こうからくる首都長安の知事の一行の行列に気付かず、その中に突っ込んで逮捕されてしまいました。
賈島が行列に気付かなかった経緯を知事の韓愈(かんゆ)に話して申し開きをすると、当時、既に唐の大詩人でもあった韓愈は、行列を邪魔したことを咎めるのを忘れて、即座に「『敲く』にしたほうがよい。(月下の門という視覚的なものには、推すという視覚的な動作よりも敲くという聴覚的な動作の方が詩情が深まる)」と助言し、二人は馬とロバの轡(くつわ)を並べて同道して、詩について語り合ったということです。
実は、弊ブログの今までの記事も各種の資料を検証して推敲した上で掲載しておりますが、掲載後も、誤字脱字の類や、分かり難い記述などが目に付くことがあり、何度か補備修正や補足説明を加えています。
記事の本質的な主旨に変更はありませんが、時間の経過とともに、より分かりやすく進化しています。
この「推敲」の記事も、これから更に推敲を加えますので、最も分かりやすくなるのは概ね一週間後になります。
だから、この記事を、今すぐ読んではいけません。
推敲が完了する一週間後の七夕の頃、ご閲読ください。
え~っ?
なんですか~?
もう読んでしまったんですか~?
「読むなと言うのが遅い~」?
なるほど~
だから~、この記事にも推敲が必要なんですよね~
伊賀山人敬白 m(__)m
題李凝幽居 賈島
閑居少鄰並、草徑入荒園。
鳥宿池邊樹、僧敲月下門。
過橋分野色、移石動雲根。
暫去還來此、幽期不負言。
李凝(りぎょう)の幽居(ゆうきょ)に題(だい)す 賈島(かとう)
閑居(かんきょ)鄰並(りんぺい)少(すく)なく、
草径(そうけい)荒園(こうえん)に入(い)る。
鳥(とり)は宿(やど)る池邊(ちへん)の樹(き)、
僧(そう)は敲(たた)く月下(げっか)の門(もん)。
橋(はし)を過(す)ぎて野色(やしょく)を分(わ)かち、
石(いし)を移(うつ)して雲根(うんこん)を動(うご)かす。
暫(しばら)く去(さ)りて還(ま)た此(ここ)に來(き)たるも、
幽期(ゆうき)は、言(げん)に負(そむ)かず。
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