伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

忘れじの面影 〔Tous les visages de l'amour (She)〕


 「忘れじの面影」 (わすれじのおもかげ、英語題:she、 仏語題:Tous les visages de l’amour)はフランスのシンガーソングライターであり俳優でもあるシャルル・アズナヴール(Charles Aznavour, 1924年5月22日 - 2018年10月1日)が、1974年に発表した楽曲です。


 シャルル・アズナヴールは、フランス語や英語など8種類の言語で歌い分けることのできる世界的なシャンソン歌手で、この「忘れじの面影」も初出は1974年に放送されたイギリスの連続テレビドラマ『女の七つの顔(Seven faces of woman)』の主題歌として英語の歌詞を付けて発表したものです。
 その時の歌題は「SHE(彼女)」ですが、歌詞の初句にみえる「May be the face I can't forget (その面影は忘れられないだろう)」を踏まえて邦題は「忘れじの面影」と付けられました。
 この楽曲は、イギリスでは4週連続で全英シングルチャート1位を獲得する大ヒットとなりました。
 アズナヴールは、その直後にドイツ語版を発表し翌年にはフランス語版を発表していますが、歌詞の細部内容はそれぞれ異なっています。


 英語版では、去って行った恋人の忘れ得ぬ面影を詠ずるもので、ドイツ語版もほぼ同様です。
 ところが、フランス語版では、恋人はまだ近くに居て逢う度に異なる表情や言動を表わすため、天使のようでもあれば悪魔のようでもあると些か戸惑いながらも愛さずにはいられない男の心情を詠ずるものになっています。
 いずれの版も、作詞・作曲はアズナヴールとハーバート・クレッツマーの共作と表示されています。


 日本ではイングランドのシンガーソングライターであるエルヴィス・コステロ(Elvis Costello、1954年8月25日 - )がカバーしてヒットした英語版の方がよく知られていますが、今回は希代のシャンソン歌手シャルル・アズナヴールに敬意を表してフランス語版をご紹介します。


 シャルル・アズナヴールはつい先月来日して、9月17日に東京NHKホール、9月19日には大阪フェスティバルホールで「生誕94周年特別記念来日コンサート」と銘打つ公演を行いました。
 御年94歳、この偉大なシャンソン歌手の熱唱は、日本のファンの心の中に終生忘れ得ぬ思い出を残しました。


 9歳から芸能活動を始めて85年、日本公演も成功裏に勤め上げた シャルル・アズナヴールですが、その僅か12日後の10月1日、フランス南東部にある自宅において心不全と肺水腫による呼吸不全により永遠の眠りにつきました。


 アズナヴールの訃報に接し、フランス大統領エマニュエル・マクロンは、ツイッターに「彼のすばらしい作品や歌声、そして輝きは永遠に残る」と投稿して哀悼の意を示しました。


 94年の生涯で、一千数百曲を作詞・作曲して、全世界で一億八千万枚のレコードを売り上げたシャンソン界の伝説的大御所シャルル・アズナヴール、一昨日伊賀山人にとっての「忘れじの面影」になりました。



Tous les visages de l'amour 
愛の全ての顔(邦題:忘れじの面影)
愛的全部的臉
                  Charles Aznavour(シャルル・アズナヴール)


Toi, parée de mille et un attraits 
Je ne sais jamais qui tu es
Tu changes si souvent de visage et d'aspect
Toi, quel que soit ton âge et ton nom
Tu es un ange ou le démon
Quand pour moi tu prends tour à tour
Tous les visages de l'amour

君は、千一(数多いことの形容)もの魅力で飾られている
私は、君の真の姿を知ることが出来ない
君は、しばしば顔や姿形を変えるのだから
君は、歳や名前も偽っている
君は一体、天使なのか悪魔なのか
次々に変えて私に見せる
様々な愛の形を

你,由於一千一(很多地在事的形容)也魅力被裝飾
我,不能知道你的真正的身姿
因為你,經常改變所以臉和身姿形
你,也欺瞞著歲和名字
你還是惡魔是一體,天使
一個接一個改變為我給(你)看看
各種各樣的愛的形式


Toi, si Dieu ne t'avait modeler
Il m'aurait fallut te créer
Pour donner à ma vie sa raison d'exister
Toi qui est ma joie et mon tourment
Tantôt femme et tantôt enfant
Tu offres à mon coeur chaque jour
Tous les visages de l'amour

君を、もしも神が創造しなかったならば
私が君を創らなければならなかっただろう
この世に私の命が存在する意味を与えるために
君は、私の喜びであり、また苦しみでもある
君は、ある時は女になり、またある時は子供になって
私の心に毎日届けてくれる
様々な愛の形を

假使神如果就沒創造你,
我會創造你
為了我的生命給人世存在的意義
你,是我的喜悅,再感到痛苦也是
你,有時成為女人,再有時成為孩子
向(到)我的心每天
送交各種各樣的愛的形式


Moi je suis le feu qui grandit ou qui meurt
Je suis le vent qui rugis ou qui pleure
Je suis la force ou la faiblesse
Moi je pourrais défier le ciel et l'enfer
Je pourrais dompter la terre et la mer
Et réinventer la jeunesse

私は炎、燃え上がるかと思えば燃え尽きる
私は風、唸りをあげるかと思えばすすり泣く
私には力もあるが弱さもある
私は天国にも地獄にも立ち向かえるだろう
大地も海も征服し
若返ることだって出来るだろう

我火焰,剛想燃起嗎燃燒盡
我剛想舉起風,呻吟嗎啜泣
我也有力量,不過弱也有
我都會能面向地獄天堂和
大地和海都征服
會即使變年輕也能


Toi, viens, fais de moi ce que tu veux
Un homme heureux ou malheureux
Un mot de toi, je suis poussière ou je suis Dieu
Toi sois mon espoir sois mon destin
J'ai si peur de mes lendemains
Montre à mon âme sans secours
Tous les visages de l'amour
Toi, tous les visages de l'amour

君、来給え、そして私を君の望みどおりにし給え
幸せな男にでも不幸な男にでも
君の一言で私は塵埃にも神にもなる
どうか君は私の希望であり運命であってくれ
私は自分の末路を恐れている
救いのない私の魂に見せてくれ
愛のすべての顔を
君の、愛の全ての顔を

你,請來,又要我你的希望那樣
在幸福的在男人也不幸的給男人也
用你的一句話我都成為神為塵埃和
怎麼著你是我的希望是命運來
我害怕自己的末路
對拯救沒有的我的魂顯示

愛的全部的臉
你的,愛的全部的臉





Tous les visages de l'amour - Charles Aznavour



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