伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

君のひとみは10000ボルト(你的眼神10000V)

      

 「君のひとみは10000ボルト」(きみのひとみは いちまんボルト)は1978年8月5日 にフォークグループ:アリスの堀内孝雄がソロで発表した楽曲で、当時90万枚以上の売り上げを記録したヒット曲です。


 この楽曲は、曲は堀内孝雄、歌詞はアリスの谷村新司が作って完成したものです。
 元々、これは1978年の「資生堂化粧品」秋のキャンペーンソングとして作られたもので、タイトルの「君のひとみは10000ボルト」については化粧品会社の資生堂が決めたものです。
 アリスの二人は、CMソング作成前の資生堂社内での打ち合わせの際に、当時の資生堂の社員から「このタイトルで曲を作ってください。但し、企業秘密ですので、タイトルは1回だけしか見せませんので、よく覚えてください。」と言われて、メモ書きをちらっと見せられただけなのだそうです。


 そのためか、このタイトルにはやや問題があります。
 「10000ボルト」では、小さすぎるのです。
 「百万ボルト」とすべきだったのです。
 古来、数の大きいことを表わすときの単位は「百、千、万」で、「百花繚乱」「千仭の谷」「万丈の山」のように頭に「一」を付けずに使います。
 「万」を超える場合には、その上に「百、千」を付けます。
 つまり、「百万の味方」とか「千万人と雖も我行かん」というように使います。
 これが「一万の味方」や「一万人と雖も云々」のように、頭に「百」でもなく「千」でもなく、ただの「一」を付けたのでは如何にも弱そうに聞こえて誰も驚きません。
 加藤登紀子が翻訳して演唱したラトビアの歌謡曲の「百万本のバラ」も「一万本」しか無かったら百万枚の大ヒットにはならなかったでしょう。
 神戸の「百万ドルの夜景」も「1万ドルの夜景」だったら誰もわざわざ遠路はるばる見には行きません。
 また、歌うときにも「一万」よりも「百万」の方が語呂が良いので気持ちよく歌えます。


 資生堂の社員の不明によるものなのか、アリスの二人がメモを見るのを間違ったのか、今となっては知る由もありませんが、この一点だけがこの歌詞の残念な点です。




 君のひとみは10000ボルト
 你的眼神10000V
                作曲:堀内孝雄 作詞:谷村新司
(1節)
鳶(とび)色のひとみに 誘惑のかげり
金木犀の 咲く道を
銀色の翼の馬で 駆けてくる
二十世紀のジャンヌ・ダークよ

為茶褐色的瞳孔 誘惑變暗
丹桂的 開放的道
用銀色的翼的馬跑來

二十世紀的聖女貞德
君のひとみは10000ボルト
地上に降りた最後の天使
君のひとみは10000ボルト
地上に降りた最後の天使

你的眼神10000V
下到地上的最後的天使
你的眼神10000V
下到地上的最後的天使


(2節)
まぶしすぎる朝に 出会った時の
そんな心の ときめきを
知らぬ間にふりまき 消えていった
季節はずれのミストレル

太晃眼過多的早上 遇見了時
那樣的心的心跳
散佈沒知道之前通過了
不分季節的Mistral(法國的地方風)

君のひとみは10000ボルト
地上に降りた最後の天使
君のひとみは10000ボルト
地上に降りた最後の天使

你的眼神10000V
下到地上的最後的天使
你的眼神10000V
下到地上的最後的天使


(間奏)


(以下終節:3回繰り返し)
君のひとみは10000ボルト
地上に降りた最後の天使
君のひとみは10000ボルト
地上に降りた最後の天使

你的眼神10000V
下到地上的最後的天使
你的眼神10000V
下到地上的最後的天使




君のひとみは10000ボルト ●2010