伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

White Christmas (ホワイト・クリスマス:白雪聖誕節)


 「White Christmas(ホワイト・クリスマス )」は、第2次世界大戦中の1941年のクリスマスに、アメリカのNBCのラジオ番組『The Kraft Music Hall』で、後に「クリスマスソングの王様」と呼ばれることになるビング・クロスビーの演唱で放送された楽曲です。


 作詞・作曲は共にアーヴィング・バーリンで、古風なクリスマスの情景の思い出を詠じたクリスマスソングです。
 このアーヴィング・バーリンは数多くの作品を残していますが、本人は5歳の時に家族とともにロシアからアメリカに移住した移民です。
 ところが、移住した3年後に父親が死去したため幼少時から新聞売りや靴磨きなど様々な職を転々として生計を立てていました。
 そのため、ロシアでもアメリカでも正規の教育を受けていないので、 楽譜の読み書きが全くできない変わり種でした。
 この曲も採譜担当の秘書に歌って聞かせて、楽譜に仕上げたものです。
 そのとき本人は、秘書に「すぐペンを執ってこの歌を書き留めてくれ。これまで作った中で最高の歌ができたぞ - いや、これまで誰も書いたことがないくらい最高の歌ができた」と言ったと伝えられています。


 ところが、これを歌ったビング・クロスビーのほうはそれほどの感動はなかったようで、この曲を1942年5月29日に映画『スイング・ホテル』で使用された他の曲と併せて6曲を収録したSP盤のアルバムに仕上げて7月30日に発売した時には、「この曲には何も問題はないよね、アーヴィング」と言っただけだったと伝えられています。


 歌詞の内容に見える、昔のように雪景色のクリスマスを夢見ているという設定などと、心地よい家郷の雰囲気が混ざり合ったこの曲は、第二次世界大戦下にあった聴き手たちの心に、特に強く響くものがあったため、米軍放送には、この歌のリクエストが殺到しました。
 その後も、長期に亘るヒットを続けて、クロスビーの「ホワイト・クリスマス」は5000万枚以上のシングル盤売り上げがあるとされており、今現在、世界中の全ての楽曲の中での最大のヒット曲です。


 なお、1958年以前の売り上げ記録については、あまり正確とは言えませんが、現在第2位のエルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウインド 〜ダイアナ元英皇太子妃に捧ぐ」が、3700万枚の売り上げであり、誤差を考慮してもクロスビーの「ホワイト・クリスマス」が史上最高のヒット曲であることはまず間違いないでしょう。


 クリスマスイブの今夜、伊賀はみぞれ交じりの雨です。
 雨は夜更け過ぎに雪へと変わるでしょう。


  Silent night,  Holy night
  さいでんな~ ほ~でんな~



White Christmas
白雪聖誕節

                  演唱:ビング・クロスビー

I'm dreaming of a white Christmas
我在幻想一個白雪的聖誕節
Just like the ones I used to know
就像我一直熟悉的那些聖誕
Where the treetops glisten and children listen
聖誕樹上閃閃發光,兒童們靜聽著
To hear sleigh bells in the snow
鈴噹在雪中搖曳作聲


I'm dreaming of a white Christmas
我在幻想一個白雪的聖誕節
With every Christmas card I write
我將親自寫每一張聖誕節卡
May your days be merry and bright
願妳的每一天都充滿喜悅
And may all your Christmases be white
更願妳擁有一個白雪的聖誕節


I'm dreaming of a white Christmas
我在幻想一個白雪的聖誕節
Just like the ones I used to know
就像我一直熟悉的那些聖誕
Where the treetops glisten and children listen
聖誕樹上閃閃發光,兒童們靜聽著
To hear sleigh bells in the snow
鈴噹在雪中搖曳作聲


I'm dreaming of a white Christmas
我在幻想一個白雪的聖誕節
With every Christmas card I write
我將親自寫每一張聖誕節卡
May your days be merry and bright
願妳的每一天都充滿喜悅
And may all your Christmases be white
更願妳擁有一個白雪的聖誕節




White Christmas - Disney Very Merry Christmas Songs

妹妹晚安(おやすみ 妹よ)

 【台中市大肚山花園公墓内にある雨生園の碑】


 驚異的なハイトーンの歌声で「高音王子」と呼ばれ、またその多彩な音楽センスにより「音楽の魔術師」とも謳われた夭折の天才台灣の張雨生(チャン・ユーシャン 1966年6月7日 - 1997年11月12日)は、台中市に所在する大肚山花園公墓内で眠っています。
 その場所は「雨生園」と名付けられており、張雨生が交通事故により世を去る11年前に15歳の短い生涯を閉じた妹の張玉仙も一緒に眠っています。


 張玉仙は、張雨生の5歳下の妹でした。
 1986年7月6日、この日は日曜日であったため、父親の張建民が家族総出でピクニックに行きバーベキューを楽しむ計画を立てました。
 場所は、台湾原住民泰雅族である母親張惠美の故郷、臺中市和平區の梨山に決めました。
 父親は、当時台北念大学の1年生であった張雨生にも電話を掛けて誘いますが、張雨生は友人との約束があると言って断ってしまいました。


 7月6日ピクニック当日の朝、妹の玉仙は兄に電話を掛けて、どうして来られないのかと問い詰めました。
 兄の雨生は、その日はガールフレンドとデイトなのだと打ち明けました。


 これを聞いた玉仙は、烈火のごとく怒りだします。
 澎湖島から遙々家族全員が台中まで出かけてくることは年に何度もないことなのに、雨生兄にとってはいつでも出来るデートの方が大事なのかと。


 兄妹は、激しく言い争いをした挙句、喧嘩別れの状態で電話を切ってしまいました。
 これが妹との最後の会話になるとは、神ならぬ身の雨生には知る由もありませんでした。


 その日は快晴に恵まれて、風光明媚な梨山の高原でのバーベキューも滞りなく終了し、玉仙は家族と共に山路を下る帰途につきました。
 ところがその途中、原住民の母親の血を引き歌やダンスを得意とする活発な少女であった玉仙は、山道に沿った谷川の岩の上を飛ぶように歩き始めました。


 両親が止めようとした正にその時、玉仙は足を踏み外して渓谷に転落し、15歳の短い生涯を閉じました。


 その夜、妹の訃報に接した雨生は、悲痛と自責の念に駆られて滂沱の涙にくれました。
 断腸の悲しみの中で、雨生は妹を悼む鎮魂歌を書き上げました。
 しかし、当時の雨生はとても歌う気にはなれず、この曲が世に出ることはありませんでした。


 妹の事故から7年の時を経た1993年、雨生は《一天到晚游泳的魚》と題する1枚のアルバムを発表しました。
 妹への鎮魂歌《妹妹晚安》は、妹の不慮の死から7年間変わらぬ雨生の妹への想いを籠めて補詞し、そのアルバムの中に収録しています。


 この楽曲は、いつもの張雨生の明朗闊達な曲調とは異なり、切々と振り絞るような声で、最愛の妹への尽きせぬ思いを歌い上げています。



 妹妹晚安
 おやすみ 妹よ
                  作詞・作曲・演唱:張雨生  
妹妹晚安
我很想念妳
妹妹晚安

妳會在那裡
這些年來 人事已非
真怕妳認不得我的改變
想妳不必焦急 我們都還記得妳
只是不怎麼提起 想妳不必慌張
家裡格局仍一樣 只是少了妳的床

妹よ おやすみなさい 
僕は君がとても懐かしい
妹よ おやすみなさい 

いったい君はどこにいるのだろうか?
ここ数年 世の中は変わってしまったよ
僕もあの頃とは変わったけれど 恐らく君はそれに気付かないだろうね
でも何も心配しないでね 僕たちはみんないつまでも君のことを覚えているからね
ただそれを口に出しては言わないけれど 何もあわてなくてよいのだよ
家の中の様子はあの頃のままだよ ただ君のベッドだけはなくなってしまったけれど


妹妹晚安
我變得如何
妹妹晚安

妳是不是快樂
孤不孤單 冷不冷清
寒夜裡是否有人與妳為伴
想妳不會煩惱 那麼愛笑和聒噪
誰能躲開妳的撒嬌 想妳不會無聊
妳總是有你的一套 儘管天涯或是海角

妹よ おやすみなさい 
僕の変わり様はどうですか?
妹よ おやすみなさい 

君は今幸せですか?
孤独ではありませんか? 寂しくはありませんか?
寒い夜に君の傍には誰かがいてくれますか?
君に苦しみも悩みもないことを願っているよ そしてよく笑いよくはしゃいでいることを
君が甘えたければみんなが受け止めてくれるよ 君が退屈しないことを願っているよ 
君は君のやり方でいいのさ たとえそこが天の果て地の果てでもね


我想我不會放棄 那些有妳的記憶
即使年華漸漸老去 我想我更加珍惜
擁在懷裡的親情 因為幸福稍縱即逝去

僕には捨て去ることなどできない いくつもの君の思い出を
たとえ年月が次々に過ぎ去ろうとも  僕は君の思い出を更に大切にしていたい
君への思いを胸に抱いていたい 幸せはあの時のように消え去ってしまいやすいのだから


妹妹晚安
妹妹晚安

妹よ おやすみ…
おやすみ… 妹よ…




張雨生 妹妹晚安