伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

2016年6月のブログ記事

  • 梅雨の候、藪蚊に苦しむ

       伊賀之梅雨   梅雨時節雨紛紛   路上行人欲除蚊   借問蚊香何處有   頑童傍指他人墳    伊賀の梅雨  梅雨(ばいう)の時節、雨 紛紛(ふんぷん)、  路上の行(こうじん)、蚊を除(のぞ)かんと欲す。  借問(しゃもん)す、蚊香(ぶんこう) 何れの處(ところ)にか有ると、  頑童(が... 続きをみる

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  • 推敲について

     推敲(すいこう)とは、詩や文章を何度も練り直すことです。  この熟語は、宋代に編纂された『唐詩紀事』という書に記載されている次のような故事が典故となっています。  唐の時代、科挙(官吏登用試験)を受けるために都の長安にやって来た賈島(かとう)が、ロバに乗ったままで詩を作っていました。  その途中... 続きをみる

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  • 「生きることの意味」とは

    【カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)1875.7.26~1961.6.6】  カール・グスタフ・ユングは、スイスのトゥールガウ州ケスヴィル出身の精神科医で、元々は、医師として精神科医療に従事していましたが、後に「無意識(深層心理)」について研究を深め、通称「ユング心理学」... 続きをみる

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  • 黄金萬両

     【黄金萬両:伊賀山人直筆之書】  上掲の書は、合字(ごうじ)と言うものです。  合字とは、複数の文字を合成して一文字にしたもので、抱き字あるいは連字とも言われています。  「麿」(麻呂)、「粂」(久米)、「杢」(木工)、「𡍄」(土居)なども漢字合字の一種で、現在でも固有名詞などでよく使われてい... 続きをみる

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  • 家宝の壺

     【生活に困ったら、この壺を売りなさい】  3年前に、群馬県の古道具屋で、壺を1個買い求めて家宝にしました。  高さ50㎝、胴の直径が33㎝の堂々たる大壺です。  ふっくらした胴体の表面には釉がどっぷりと掛けられており、更に虫除け黴除けの為に塗られていた漆喰のはげ残った部分が霜降りのような景色にな... 続きをみる

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  • 第4話:伝説は伝説のままに…

      【リバティ・バランスを射った男】  前回の記事で、大林監督が引用した「人々が伝説を信じ始めたら、我々は伝説を選ぶべきだ」という台詞は、ジョン・フォードが監督した映画の「リバティ・バランスを射った男(The Man Who Shot Liberty Valance)」の中にあります。  この映画... 続きをみる

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  • 端午節愁故人病情題門壁

     人生之門 毎逢佳節倍思齢 眼睛風景亦變化 天眞幼童已過去 我只認識過六十 光陰如矢我知道 心說想記小事都 我說有趣是二十 汝說很棒是三十 他說可愛是四十 更思很好是五十 盛開櫻花紅葉山 將來幾次能看到 一一打開人生門 思想活在爲愛人 我說很好是六十 汝說是好是七十 他說仍好是八十 希望汝開九十門... 続きをみる

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  • 第3話:チャールズ・ブロンソンの時計の真相

     20年ほど前に、東京駅発の新幹線の中で、大林宣彦監督に出会ったことがあります。  私が、東京駅で仙台行きの新幹線の指定席に座っていたところ、発車間際に大林監督が、数人のスタッフを引き連れて隣の三人掛けのシートにどやどやと乗り込んできました。  仲間内の世間話が始まりましたが、仙台までは時間もある... 続きをみる

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  • 第2話:チャールズ・ブロンソンの時計

     毎年、6月10日の時の記念日が近づくと、昔、リーダーズダイジェストの日本語版で読んだ、チャールズ・ブロンソンの時計の話を思い出します。  1970年、経営危機にあった化粧品メーカーの「丹頂」は、社運をかけて開発した男性化粧品「マンダム」のテレビCM撮影のため、史上初めてハリウッドスターのブロンソ... 続きをみる

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  • 第1話:遅咲きのスター、チャールズ・ブロンソン

     【晩年のチャールズ・ブロンソン(カンヌ映画祭会場にて)】  チャールズ・ブロンソン(Charles Bronson, 1921年11月3日 - 2003年8月30日)は往年のハリウッドスターです。  彼は、1921年11月3日に、米国ペンシルベニア州において、リトアニア移民の家庭に15人兄弟の5... 続きをみる

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  • これが青春だ!(サミュエル・ウルマンの青春賦)

     【マッカーサー執務室内、「青春」のレリーフ】  昭和天皇が、大東亜戦争終結後の1945年9月27日に東京日比谷の占領軍総司令部にマッカーサー元帥を訪問し、天皇としては史上始めて平民であるマッカーサーと並んで写真を撮られた部屋の壁に掛けられていた詩が、サミュエル・ウルマン(Samuel Ullma... 続きをみる

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  • 涼州詞を考える

                    快樂讀唐詩-唐詩五 涼州詞 - YouTube  涼州詞は、楽譜題と言われるもので、元々、涼州詞と言う楽曲があり、その曲に合わせて、詩詞を作ったものです。  現在、その楽曲は全て失われており、どのようなものであったかは分かっていませんが、凡そ、上掲のYou Tube... 続きをみる

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  • 酒の十徳

     【酒の十徳: 川崎洋岳書】  江戸時代に、『餅酒論(もちさけろん)』という一種の知的な遊びが流行しておりました。  これは、餅が好きな人と酒が好きな人とが集まり、餅組と酒組の二組に分かれて、餅と酒のどちらがすばらしいかという議論をたたかわすものです。    餅組は餅の良いところと酒の悪いところを... 続きをみる

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