伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

まだ見ぬ恋人


  「まだ見ぬ恋人」は、日本の俳優兼シンガーソングライターの加山雄三が、自身12枚目のシングルレコードとして、1966年(昭和41年)12月15日に発表した楽曲です。
 また、この曲は、半月後の翌年元日に公開された映画「レッツゴー! 若大将」の主題歌としても使われています。


 作曲はいつものとおり、弾厚作(加山のペンネーム)ですが、作詞は雑誌「平凡」が一般から募集して当選した原とし子の歌詞を岩谷時子が補詞して完成したものです。


 詞の内容は、恋人を探し求める青年の寂しい心を詠じたものです。
 この青年には、現在恋人と言える人は有りませんが、只待ち望むだけではなく、例え地の果て海の底までも探しに行くぞとの決意を表わしており、シンデレラを探す王子の心境にも似たものがあります。


 恋に恋する乙女の心境の裏返しともいえる歌詞ですので、この歌を何ら照れなくさらりと歌えるのは、若大将加山雄三と伊賀山人くらいなものでしょう。


 当時、「まだ見ぬ恋人」といえば、せいぜい文通相手くらいなものでしたが、半世紀前には誰も予想だにしなかった現在のネット社会では、ブログで知り合ったバーチャルな恋人の心情とぴったり符合するともいえるでしょう。




   まだ見ぬ恋人
   還不看的戀人
                昭和41年12月発売
                作詞:原とし子 補作詞:岩谷時子 作曲:弾厚作
   夕暮れの浜辺を
   貝殻踏みながら
   淋しさにただひとり さまよう
   君はどこにいるのか
   まだ見ぬ恋人よ
   君と逢うその日まで 僕は行く
   夢に見るあまいくちづけよ
   僕を呼ぶ優しい声
   君はどこにいるのか
   まだ見ぬ恋人よ
   たとえ地の果てまでも
   僕は行く

   黃昏的海濱
   一邊踩貝殼
   寂寞只有一個人徬徨
   你在哪裡
   還不看的戀人
   到遇到你的當天我去
   在夢裡看的甜的接吻
   邀請我的和善的聲音
   你在哪裡
   還不看的戀人
   縱使到地的盡頭也

           我去


  (間奏)


   夢に見るとこしえの誓い
   幸せは僕が守る
   たとえ海の底でも
   僕は行く

   
在夢裡看的永遠的誓約
   你的幸福我保護          
   縱使在海底也
   我去




Yuzu Kayama - まだ見ぬ恋人 (Mada Minu Koibito)


 附記:

 巷では、ネット恋愛が流行しており結婚にまで至る人もいるようですが、ネットでの付き合いにはリスクが伴うことも忘れてはいけません。

 各ブログ主は、基本的に匿名ですので、公開されているプロフィールなどは、殆ど信用するに値しません。

 学歴・職歴の詐称などはネットゴキブリの常套手段ですので、万全の注意が必要です。


 因みに、伊賀山人自身の正体も信用してはいけません。

 読者各位の日頃のご愛読に感謝して、今だけ内緒で伊賀山人の正体をお明かしします。

 伊賀山中に閑居する隠者を標榜するのは世を忍ぶ仮の姿で、その実態は、都内の高校に通う現役の女子高校生なのです。

 その証拠は、次の学生証です。

 ブログの記事は全て、所属する文芸部の部活として書いたものなのです。


   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・

筆者注:

 「附記:」に冗談で書き記した伊賀山人の正体を真に受けるような純真な心を持つ方は、詐欺被害に遭いやすいので、くれぐれもご用心ください。

子供にも分かる月齢簡易計算法


 中秋節にあたり、簡単な足し算と引き算の知識が有れば分かる月齢の簡易計算法についてご紹介します。
 この計算法は、伊賀山人が小学生のころから使っているもので、天文学に基づく科学的解法としての裏付けもありますが、説明を簡単にするため学術的な解説は割愛します。


 月齢を知ることの効用は、山を歩く人には夜道が明るいかどうかを知ることが出来ますし、海に行く人には潮の満ち引きを知ることもできます。
 また、詩人にとっては、その夜に月が見えるのか星の方がよく見えるのかを知ることが出来て、詩情を湧き起こすことが出来ます。


 暦法における月齢(げつれい)とは、直前の朔(新月)の瞬間からの経過時間を日を単位として表したもので、刻々と変化しているものです。
 新聞などに記載されている「ある日の月齢」といえば、特に断らない限りその地域の標準時正午の月齢ですので、その日の夜になって見る月の月齢は少し増加しています。
 例えばその日の真夜中の24時ごろ見上げる月であれば、正午から12時間後(0.5日後)になりますので、月齢は約0.5増加しています。


 旧暦であれば太陽太陰暦で出来ていますので、その日付を知ることが出来れば月齢も分かりますので、わざわざ計算して確認する必要はありません。
 逆に言えば、月齢を計算することにより、旧暦の日付を知ることが出来ることになります。
 なお、旧暦の日付は新月(朔)即ち月齢が0となる時点が属する日をその月の1日(朔日)としますので、月齢よりも日付の方が最大で1日(月齢で1.0相当)近く先行して進んでいきます。
 例えば、本日は旧暦8月15日の十五夜ですが、月齢は正午で13.9、12時間後の真夜中の24時(5日0時)になっても14.4くらいで、月齢15.0になるのは次の日旧暦16日の正午過ぎで、旧暦日付と月齢とは1日ずれています。


 月の満ち欠けの周期は、平均的に約29.5日ですので、満月(望)の月齢は、平均的には14.8くらいですが、月と地球の軌道の真円度や同面度が異なるため、毎回13.8から15.8の間で変動します。因みに、今月の満月は、6日(金)03:40時の 月齢15.6で、中秋節の本日から2日後の夜明け前になります。


 前置きはこのくらいにして、本論に入ります。


 月齢簡易計算法については、数学的な手法を用いた様々な方法がありますが、今回は新暦の月数と日数から計算する最も簡単な方法をご紹介します。
 計算式は、次のとおりですので、小学生でも計算できます。 

 月齢月数日数定数

 ただし、答えが30を超えた場合は、30を引く。

 ここで、「定数」とは、暦年ごとに異なる数ですが、今年(平成29年)は偶々0です。


 例えば、本日平成29年10月4日であれば、
 月齢=10+4+0
   =14
 となり、月齢は14であることが分かります。


 なお、この方法では、プラスマイナス1程度の誤差は生じます。
 歴月の変わり目、特に前の月の日数が少ない場合には誤差が大きくなることがあります。
 例えば、前の月が31日である10月31日と11月1日の場合には11(41から30を引いた數)と12となり、誤差は生じません。
 前の月が30日の9月30日と10月1日では、9(39から30を引いた數)と11となり、10が抜けているので1日分の誤差が生じます。
 2月は28日しかないので、2月28日と3月1日では、0と4となり、その間の1~3が欠落しているので3日分の誤差が生じます。


 また、暦年の変わり目になる12月31日と1月1日では、13と2となり、その間に12日分
〔(13+1)-2=12〕の誤差が生じてしまいます。これが、「定数」が暦年ごとに異なる原因となっています。
 なお、この12日分の誤差は、12月の次月は新年となるため、13月ではなく1月に戻り、月数12を減ずることに起因するもので、太陽年の365.2日と太陰年の354.4日との差にもほぼ相当しますが、その説明はややこしいので割愛します。


 以上要するに、暦年ごとの「定数」さえ知っておけば、月齢は簡単な計算で知ることが出来というのが結論です。


 参考までに、今後数年の「定数」について付記しておきます。
 この定数は、特に覚える必要はありません。
 賢明な読者の方々であればどなたでも、新聞などに記載されている「月齢」から逆算して、その年1年間使える「定数」を簡単に割り出すことが出来ます。
 なお、下記の定数は年間の平均値で示しています。
 前述のとおり、歴月の変わり目ごとに誤差が生じますので、定数も歴月ごとに新聞などを見て修正したほうがより正確になります。

  暦年   定数

2017年:   0

2018年: +11(または-19)

2019年:  -8(または+22)

2020年:  +3(または-27)

2021年: +14(または-16)

2022年:  -5(または+25)

2023年:  +6(または-24)

2024年: -12(または+18)

2050年:  +3(または-27)


追記: 

標準時正午の正確な月齢を知りたい方は、次のサイトをご覧ください。

西暦1590年から2199年までの月齢が分かるようになっています。