伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居する隠者の戯言です。

四季紅

 台湾を代表する作曲家鄧雨賢の作品の中で最も有名な「四季紅」「月夜愁」「望春風」「雨夜花」の4曲は、その頭文字をとって、纏めて「四月望雨」と通称されています。
 また、この4曲を含めた「四月望雨」という名のミュージカルも製作されています。


 本ブログでは既に、「望春風」と「雨夜花」の2曲についてはご紹介していますので、今回は、「四季紅」をご紹介します。


 「四季紅」の作詩者は、「望春風」でコンビを組んだ李臨秋です。


 歌詞の内容は、年頃の少年少女の恋愛を、四季折々の風景の中で爽やかに謳い上げたものです。
 曲の明るいメロディーと相まって、台湾の代表的な民謡(フォークソング)の一つとなっています。


 言語は、台彎語ですので、日本語の音読みにやや近いものがあります。
 また、各句の語尾は、「補破網」と同様「・・ang」の脚韻で揃えられており、畳みかけるような心地よいリズムがあります。


 この曲は、男女二人のデュエット用に作られており、1節から4節まで同一の句で繰り返されるパート部分がありますので、今回は洪榮宏先生&蔡幸娟小姐、若き日のデュエットを添付します。


  四季紅 (四季折々の紅い輝き) 
             1938年 詞(台湾語)李臨秋  曲 鄧雨賢  


一節
春天花 正清香    (春の花が とても清らかな香りを放つ)
雙人心頭 齊震動   (ふたりの心は 一緒に揺れ動く)
(男)有話想要對你講 (君に話したいことがあるのだけれど) 
   無知通抑無通  (言っていいのかどうかわからない) 
(女)叨一項     (何のこと?)
(男)敢猶有別項   (他のことなどあるものか)         
(女)肉文笑 目睭降   (にっこり微笑んで 恥かしがって目を伏せる)
你我戀花 朱朱紅    (貴方と私の恋の花が 真っ赤に色づいていた)


 
二節
夏天風 正輕鬆     (夏の風はとてもさわやか)
雙人坐船 列遊江    (ふたりは船に乗って川遊び)

(男)有話想要對你講 (君に話したいことがあるのだけれど) 
   無知通抑無通  (言っていいのかどうかわからない)
(女)叨一項     (何のこと?)
(男)敢猶有別項   (他のことなどあるものか) 
(女)肉文笑 目睭降   (にっこり微笑んで 恥かしがって目を伏せる
水底日頭 朱朱紅    (水に映ったお日様が 真っ赤に輝いていた)


  
三節
秋天月 照紗窗     (秋の月が 網戸を照らす)
雙人相好 有所望    (相思相愛が ふたりの願い)

(男)有話想要對你講 (君に話したいことがあるのだけれど) 
   無知通抑無通  (言っていいのかどうかわからない)
(女)叨一項     (何のこと?)
(男)敢猶有別項   (他のことなどあるものか) 
(女)肉文笑 目睭降   (にっこり微笑んで 恥かしがって目を伏せる)
喙唇胭脂 朱朱紅    (くちびるの紅が 真っ赤に染まっていた)


四節
冬天風 真難擋     (冬の風は 避けるのがとても難しい)
雙人相好 不驚凍    (相思相愛のふたりにとっては まるで寒くはない)

(男)有話想要對你講 (君に話したいことがあるのだけれど) 
   無知通抑無通  (言っていいのかどうかわからない)
(女)叨一項     (何のこと?)
(男)敢猶有別項   (他のことなどあるものか) 
(女)肉文笑 目睭降   (にっこり微笑んで 恥かしがって目を伏せる)
愛情熱度 朱朱紅    (愛情の熱い炎が 真っ赤に燃えあがる)


筆者註:

 伊賀山人には、現代支那諸語に関する知識はありません。

 和訳については、千年前の漢文知識で読み解いているに過ぎません。

 若しも、誤訳箇所が有るとすれば博雅の教えを請います。

筆者追記:

 台彎のmoli小姐から誤訳箇所のご指摘があり、和訳の一部を修正しました。

 毎日、この歌を歌って青春を謳歌されているmoli小姐には、この場を借りて篤く御礼申し上げます。m(__)m



洪榮宏&蔡幸娟 - 四季紅



おまけ♫
伊賀山人推奨の蔡幸娟小姐が明るく伸びやかに歌い上げる独唱の映像です。



四季紅 蔡幸娟 2003



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