伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

手術は成功した… 症状は悪化した。

 5月14日、腹腔鏡下肝部分切除という手術を受けて、肝細胞癌を摘出した。
 この手術は、腹部に6箇所の穴を開けて内視鏡や鉗子やメスなどの道具を腹腔内に挿入して、モニター画面を見ながら遠隔操作で癌を含む肝臓の一部を摘出するものである。


 手術が始まると同時に点滴による全身麻酔をかけられて、麻酔が醒めた時には既に手術は終わっているので、手術中の記憶は全くない。
 手術台に上がって、瞬きしたら終わっていたような感覚である。


 ところが、その後が大変である。
 歩けば痛い、咳をしても痛い、寝ても動くと痛い、とにかく何をしても痛みが付きまとう。
 術後2週間になる今では、手術中に万歳の姿勢をしていたために起こった肩関節痛については治ったものの、腹筋の疼痛と肝臓の鈍痛とは未だに治らない。


 手術のために開けた穴は、厳密にいうとそれぞれ長さ2センチほどメスで切った切創である。
 その他に、脊椎へのカテーテル挿入や腹腔内へのドレーンパイプ挿入などで、腹筋・背筋に合計10箇所くらいの切創が出来ている。


 同じ病棟にいた同じ手術を受けた人に聞いてみたところ、その人は術後から殆ど傷みはないとのことであった。
 個人差によるものなのか、手術の難易度の違いによる切り口へ与えたダメージの差によるものなのかは判然としない。


 主治医に訊ねたところ、
 「今は耐える時です。耐えて耐えて耐え抜いていればそのうち慣れます。」とのこと。


 流石の伊賀山人も思わず聞き返した。
 『それは、死ぬまでこの傷みが続くということですか?』


 主治医は答えた。
 「いや、そんなことはありません。”日にち薬”で、徐々に改善します。」


 ”日にち薬”とは、喜ぶべきか悲しむべきか…


 この記事を書いている今も、猛烈な痛みが襲ってきたので、傷口を右手で押さえている。
 これが本当の「手当て」である。


 気分はすっかりナポレオンの肖像画であるが、キーボードを弄るだけでも痛いので今日の記事はこのくらいにしておく。


 



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