Old Soldiers Never Die (老兵は死なず:歌唱編)
「老兵は死なず」は、100年以上前から米陸軍の兵士の間で歌い続けられている、殆ど戯れ歌のような歌謡曲です。
この曲は元々、イギリス軍の兵士が基地内の教会で歌っていたゴスペルソング「Kind Thoughts Can Never Die(親身な思いやりは決して廃れることはない)」の替え歌として米陸軍の兵士が作ったものです。
作詞者は不明ですが、米陸軍の部隊に口伝えで広まったため、多くのバージョンが存在します。
最初のバージョンは、確証はありませんが、次のようなシンプルなものであったようです。
Old soldiers never die, never die, never die,
Old soldiers never die.
They just fade away.
老兵は死なず、死なず、死なず、
老兵は死なず、
ただ消え去るのみ
老兵永遠不死 , 永遠不死 , 永遠不死
老兵永遠不死,
他們只是悄然隱去.
Young soldiers wish they would,
wish they would, wish they would,
Young soldiers wish they would,
Wish they'd fade away.
新兵もそうなりたい、
そうなりたい、そうなりたい、
新兵もそうなりたい、
そして消え去りたい。
年輕的士兵希望成老兵 ,
希望成老兵 , 希望成老兵 ,
年輕的士兵希望成老兵 ,
他們就會想後只是悄然隱去.
ここで、「老兵」というのは、年老いた兵士という意味ではありません。
軍歴豊富な古参兵、つまり、熟練した兵或いは歴戦の勇士という意味です。
また、新兵というのも年齢とは関係なく軍隊経験の浅い新米の兵隊という意味ですが、平時であれば年寄りは徴兵しませんので、殆どは年齢の若い兵士です。
新兵と老兵とを区分する明確な基準はありませんが、兵であれば、2等兵で入隊した新兵も数年の軍歴を経て伍長になる頃には老兵と言ってよいでしょう。
下士官は兵から昇進しますので、ほぼ全員が老兵です。
士官(将校)の場合には事情が異なり、下士官から昇進するのではなく、高卒者の行く陸軍士官学校〔United States Military Academy (USMA)、通称は所在地名のWest Point〕や大卒者の行く幹部候補生学校〔Officer Candidate School (OCS)〕を経て少尉(Second lieutenant)に任官します。
したがって、少尉ではまだ全員が新兵であり、2~3年の軍隊経験を積んで、せめて中尉(First lieutenant)か大尉(Captain)くらいにならなければ老兵とは言えないでしょう。
「老兵は死なず」とは、戦術行動に習熟した老兵は決して戦死することが無いという意味です。
「ただ消え去るのみ」とは、二つの意味があり、戦術上は偽装・築城の経験豊富な老兵は隠蔽・掩蔽を周到にして敵の監視の眼から消え去ることを意味します。
また、人事上は、徴兵により召集された兵士であれば義務年限を終えて満期除隊することであり、志願兵であれば定年やその他の理由で名誉除隊することを意味しています。
筆者注: 【米陸軍の任用制度】
・兵は、2~3年の任期制であり、任期を終えると退役するか、昇任試験を受けて下士官への道を進む。
・下士官及び士官(将校)は、それぞれ次階級への昇任までの年限が定められており、この年限内に上位階級へ昇任できなければ退役する。
從って、定年まで勤める軍人は非常に少なく、大半は「老兵」となる頃には「ただ消え去る」のみである。
なお、下士官の最高かつ最終の階級は「最先任上級曹長(Sergeant major)」であるが、下士官・兵のグループと士官のグループとは人事上全くの別組織であるので、下士官の最高階級の「最先任上級曹長」であっても、その後「少尉」に任官することはない。
民間に例えると、下請会社と元請け会社の関係のようなもので、下請けの社長が元請けの新入社員には決してならないのと同じことである。
米陸軍の軍隊経験者しか知る者もいなかったこの歌は、大東亜戦争終結後、連合国軍最高司令官として日本の占領統治と朝鮮戦争を指導していた米陸軍元帥ダグラス・マッカーサー(Douglas MacArthur、1880年1月26日 - 1964年4月5日)が1951年、中共軍の参戦により一進一退を繰り返す朝鮮戦争の戦局打開の為、朝鮮の北部に接する支那東北地区(満州)への原子爆弾使用を含む侵攻を主張して、戦線拡大を恐れる大統領のトルーマンと対立し、4月11日に司令官を解任されてその5日後の16日に14年ぶりとなる祖国帰還を果たし、更に3日後の4月19日にワシントンD.C.の上下両院の合同会議に出席して行った退任演説に引用したことから世界的に有名になりました。
その後、この楽曲は米陸軍の兵士だけでなく、民間の多くの歌手により様々なバージョンが作られて演唱されていますが、今回は、ヴォーン・モンロー(Vaughn Monroe)版でご紹介します。
この歌詞では、部隊で演唱されているものに加えて、マッカーサーの演説を踏まえて老兵の中でも歴代将軍に限っては世界中の戦争がなくなるまで永遠に人々の心の中に生き続けて、恒久の世界平和が実現した暁に漸く彼らも消え去ることが補詞されています。
なお、この歌詞の中には軍隊で使用する略語や俗語が混じっていますので、それらの知識のない人が正確に翻訳することは不可能です。
そのため、「Old Soldiers Never Die 歌詞 和訳」をキーワードにネットで検索しても、まともな記事は一つとして見当たりません。
中でも、どこやらの大学講師(匿名の自己紹介のため詐称の可能性大。)を標榜する某の書いたものなど、無知に起因する間違いだらけの記事で一読に値しないつまらぬものです。
本日4月5日、マッカーサー没後54年の命日です。
Old soldiers never die
老兵は死なず
老兵永遠不死
Old soldiers never die; They just fade away
老兵は死なず、ただ消え去るのみ
老兵永遠不死,他們只是悄然隱去.
There is an old mess hall not far away
Where we get pork and beans three times a day
Ham and eggs we never see, even when we're on KP
And we are gradually fading away
古ぼけた隊員食堂(mess hall)がそれほど遠くない場所にある。
そこで、我々は一日三回ともポークビーンズ(豚肉と豆の煮物)を食べる。
ハムエッグのような上等な食べ物にはお目にかかったことがない、
それは我々が炊事当番(KP: Kitchen Police)に上番している時でさえ。
そして我々は古参兵になる頃には満期が来て、次々に消え去るのさ。
並不是那麼遠的地方有舊的隊員食堂。
是那裡,我們一日三次都吃豬肉和豆的燉菜。
到象火腿和蛋一樣的上等的食物沒有見面過,
連那個我們對炊事值班上番做時。
又我們到期到達成為老手兵的時候,一個接一個退伍。
Old soldiers never die
Never die, never die
Old soldiers never die
They just fade away
老兵は死なず、
死なず、死なず、
老兵は死なず、
ただ消え去るのみ。
老兵永遠不死,
永遠不死,永遠不死,
老兵永遠不死,
他們只是悄然隱去.
Privates, they love their beer three times a day
Corporals, they love their stripes, and that ain't hay
Sergeants put you through the mill
They just drill and drill and drill,
And they will drill until they fade away
2等兵は、一日三回ビールを飲むのが大好きさ。
伍長は、袖に付ける紐のような形の階級章や従軍記章の棒線(stripes)が大好きさ、
それは細長いと言っても馬草なんかじゃないのさ。
軍曹は、みんなを絞り上げるのさ、
彼らはただ只管みんなを訓練、訓練、そして訓練に駆り立てるのさ。
そしてその訓練は、彼らが消え去るまで続くのさ。
2等兵,是非常喜歡喝一日三次啤酒。
伍長,是非常喜歡安上袖子的象帶子一樣的階級章和隨軍紀念章的直線,
那不是馬草之類。
中士,擰乾大家,
他們只有訓練免費管大家,迫使在訓練,又的訓練。
並且那個訓練,到他們消失持續。
Old soldiers never die
Never die, never die
Old soldiers never die
They just fade away
老兵は死なず、
死なず、死なず、
老兵は死なず、
ただ消え去るのみ。
老兵永遠不死,
永遠不死,永遠不死,
老兵永遠不死,
他們只是悄然隱去.
Young soldiers shine their shoes three times a day
Young soldiers go on leave, they know the way
Young soldiers say goodbye, kiss the girls and make them cry
Then the girls all wonder why they fade away
新兵は、一日三回靴を磨くのさ。(新兵の容儀は下士官から厳しく点検指導される。)
新兵は休暇を取る、休暇を取るために必要な理由の作り方を知っているのさ。
新兵は「さよなら」を言って、女の子たちにキスして、そして彼女らを泣かせるのさ。
その後で、その女の子たちは不思議に思うのさ、
どうして彼らが消え去ったのだろうかとね。
新兵,必須擦一日三次鞋。
新兵很好地知道很好地安排休假,那個方法。
新兵說「再見」,女孩子接吻使她們哭泣。
然後,那個女孩子們不可思議地思念,
是怎麼他們只是悄然隱去的。
Old soldiers never die
Never die, never die
Old soldiers never die
They just fade away
老兵は死なず、
死なず、死なず、
老兵は死なず、
ただ消え去るのみ。
老兵永遠不死,
永遠不死,永遠不死,
老兵永遠不死,
他們只是悄然隱去.
(補詞部分)
Washington and Grant and Lee were all tried and true
Eisenhower, Bradley and MacArthur too
They will live forevermore till the world is done with war.
Then they will close that final door, fading away
ワシントンやグラントやリーのような昔の将軍たちも同じようにしたのは事実さ。
アイゼンハワーやブラッドレイやマッカーサーのような現代の将軍たちも同じさ。
彼らは、世の中に戦争がなくなるまで永久に記憶の中に生き続けて、
戦争の最後の扉を閉めてから、消え去るだろう。
象華盛頓和格蘭特和Lee一樣的從前的將軍們也使一樣的事實。
象艾森豪威爾和布拉德利和麥克阿瑟一樣的現代的將軍們也是一樣。
他們,全世界戰爭時也生存,
是落下最後的幕,他們悄然隱去的。
Old soldiers never die
Never die, never die
Old soldiers never die
They just fade away
老兵は死なず、
死なず、死なず、
老兵は死なず、
ただ消え去るのみ。
老兵永遠不死,
永遠不死,永遠不死,
老兵永遠不死,
他們只是悄然隱去.
[Fades]
Fade away
Fade away
Fade away
Fade away
消え去る
消え去る
消え去る
消え去る
悄然隱去.
悄然隱去.
悄然隱去.
悄然隱去.
Vaughn Monroe - \"Old Soldiers Never Die\"
マッカーサーの退任演説抜粋はこちら↓
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