伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

七夕


       七夕
                      伊賀山人作七絶平水韻五歌
  煌煌織女渡天河
  捧竹望星七夕過
  惟使仔貓揭護符
  以願萬人幸福多


【書下し文】
  七夕(しちせき)
 煌煌として織女は天河を渡る
 竹を捧げ星を望みて七夕は過ぐ
 惟だ仔貓をして護符を揭げしめ
 以って萬人の幸福多きを願ふのみ


【和訳】
  七夕(たなばた)
  煌煌と光り輝きながら織女は天の川を渡って行く
  竹を捧げて星を眺めているうちに七夕の夜は過ぎてゆく
  今はただ子猫を使ってお守りの短冊を飾らせ

  それによって 人々の幸多かれと願うのみである



筆者注:

 実は、七夕祭りは、旧暦で行うべきなのです。

 その理由は、天候と月齢とにあります。

 新暦では、梅雨時にあたり、抑々、星空が見えないことが多いのです。

 例え晴れていても、今夜のように月齢13では満月に近く、夜空が明るすぎて天の川は殆ど見えません。

 旧暦であれば、気候も良く、月齢も毎年常にほぼ7ですので、日没時に南天に見える半月が徐々に西へと傾き、夜中前に船のような形に見える頃には、満天の星空に天の川とそれを挟む牽牛星と職女星とがくっきりと見えることでしょう。