淸明(晩唐:杜牧)
「清明」(せいめい)とは、二十四節気の一つで、「清浄明潔」の略ともいわれているように「萬物が清らかで草花が生き生きとする頃」を言います。
今年の「清明」は4月4日ですが、二十四節気を期間を表すものとして捉えることもあり、その場合には、次の節気「穀雨」(こくう)が4月19日ですので、その前日18日までが「清明」の期間となります。
そこで今回は、晩唐の詩人杜牧作の七言絶句「淸明」をご紹介します。
この詩は、杜牧が清明の頃に江南(長江の南)の地を旅している時の風景を詠じたものです。
江南では、清明の頃には春雨がよく降り、この雨のことを折から白く咲き匂う杏花(きょうか:アンズの花)の名を借りて「杏花雨」(きょうかう)と称しています。
結句に見える詩語「杏花村」とは、実際に杏花が咲いている村が杏花雨に霞んでいる風景を表しています。
(白文)
淸明
晩唐杜牧作七絶平水韻上平十三元
淸明時節雨紛紛,
路上行人欲斷魂。
借問酒家何處有,
牧童遙指杏花村。
(訓読文)
淸明
淸明の時節 雨紛紛(あめふんぷん),
路上の行人(こうじん) 魂(こん)を斷たんと欲(ほっ)す。
借問(しゃもん)す 酒家(しゅか)何(いづ)れの處(ところ)にか有る,
牧童遙かに指(さ)す 杏花(きょうか)の村。
(現代口語訳)
淸明
淸明の時節に旅していると 雨が頻りに降ってきて,
道行く旅人(自分のこと)の 魂は消え入らんばかりである。
通りがかった牛飼いの少年に 酒家はどこに有るかと尋ねてみたら,
少年は遙か遠くに霞んで見える 杏(あんず)の花咲く村を指差した。
おまけ: 杏花の歌 ▼
Good-bye the school days by 杏花
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