5×5=25の原則(コメント管理)
「パスカルの原理」などで有名な近代物理学の先駆者フランスのブレーズ・パスカルは、「人間は考える葦である」など多数の名言を残した偉大な哲学者でもありました。
このパスカルが、ある友人に宛てた手紙の末尾に、「今日は時間が無かった為に、このように長い手紙になってしまったことをお許しください。」と書き添えたことが巷間知られています。
時間が無ければ短い手紙になるはずと、私のような凡人はつい逆のことを考えてしまいます。
実は、長い手紙であれば、誰でも書くことができるのです。読み手の理解を容易にするためには、その中から冗長で無駄な文言を、推敲を重ねてそぎ落とすという作業が必要になるのです。しかも短くなった文章で、書き手の真意を正しく伝えることは、非凡な大哲学者であるパスカルにしても難しいことであったのでしょう。
ある意味、長い文章であれば多少の書き間違いがあったとしても、前後の文脈から真意を推し量ることができるという効用があるかもしれません。
それにしても、書き手の表現力には限界があり、自分の文章には自分の真意の8割程度が表現されるに過ぎません。更に、読み手の理解力にも限界があり、その8割程度を理解できればよい方でしょう。
つまり、いかに漏れなく書いたつもりの長い文章でも、書き手の真意が読み手に伝わるのは、8×8=64で6割4分程度のものに過ぎません。これを、「ハッパ六十四の原則」といいます。
ましてや、高名なパスカルをしても難しかった短い文章を凡人が書くのであれば、8×8=64どころか、5×5=25、つまり、書き手の真意が読み手に伝わるのは、2割5分もあれば上出来というべきでしょう。即ち、誤解を生むリスクは、常に7割5分くらいはあるということです。これを、「ゴゴ二十五の原則」と名付けます。
他人のブログへのコメントは、極めて短い文章に過ぎません。
無用の誤解を避けるために、コメントの書き手はその短い文章を練りに練り、推敲を重ねて、一晩徹夜するくらいの心構えで、万全の注意を払って取り組まれていることでしょう。
それでも、これを受ける読み手の方は「ゴゴ二十五の原則」に従い、誤解することも多々ありますので、不特定多数のコメントは話半分どころか話四分の一以下くらいに考えて、特に必要な情報以外は聞き流しておいたほうが無難でしょう。
ここまで偉そうに書いておいて、今さらですが、実は私の場合には、殆ど何も考えず、適当かつ無益なコメントを、自分でも覚えがないほど多くの方々の記事に対しろくに推敲も加えず垂れ流しています。
それでもこれまで、一件も苦情が寄せられていないのは、私にパスカルを凌ぐ文才があるからではありません。
ひとえに、この記事をご覧になり更にはコメントを適宜聞き流して下さいました皆様方の卓越した読解力と忍耐力のお蔭なのであります。
ここに改めて、ご理解ある閲覧者各位に感謝申し上げますとともに、愚にもつかぬコメントに寛大なお気持ちで接してくださいました皆様方の数々の御恩を肝に銘じているところであります。
皆様方から賜りましたこの御恩は・・
多分、今日中に忘れます m(__)m
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