伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

快眠を得られる睡眠時間とは


 人の睡眠中には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠とが交互に現れます。


 レム(REM)とは、Rapid Eye Movement の略で、まぶたの下で、眼球が急速に動いている状態を言います。


 レム睡眠は、上図右側のように、身体は休養しているが、脳が半分起きている状態です。このとき人は夢を見ます。レム睡眠には、目覚めを促す効果があるので、この状態で起床するとすっきりとした爽快感を感ずることができます。


 ノンレム睡眠は、上図左側のように身体も脳も休養しているいわゆる熟睡状態で、心身ともに疲労を取り除く効果があります。なお、ノンレム睡眠は、更に睡眠の深さにより、4段階に区分されています。余り深い段階で起床すると寝ぼけたりして寝覚めが悪くなります。
 


 レム睡眠とノンレム睡眠とは、上図のように、就寝後、90分のサイクルで、交互に現れます。


 従って、就寝1時間半後、3時間後、4時間半後、6時間後とレム睡眠の現れる時期に起床すると爽快な目覚めが得られます。
 目覚まし時計などで、強制的に起こされるのでなければ、意識せずともレム睡眠時に目覚めます。


 なお、上図のように、最初の2サイクルでは、より深いノンレム睡眠が得られますので、疲労回復のためには、最低3時間は睡眠をとるのが効率的です。


 また、7時間半を過ぎると、殆どノンレム睡眠は現れず、浅い眠りがだらだらと続くことになりますので、余り疲労回復の効果は得られません。


 昼寝のような仮眠の場合には、1時間半眠ることができれば申し分ありませんが、それだけの時間が取れない場合には、逆にあまり深いノンレム睡眠にまで至らない30分以内の短時間に留めると、すっきりと目覚めることができます。


 以上、要約すると、睡眠時間は、1時間半単位であることが快眠を得られる眠りのポイントです。
 例えば、7時間後に起きる必要がある時には、少し早めて、6時間後に起きた方がすっきりと目覚めることができてよい眠りが得られます。
 今どきは、スマホで、睡眠曲線を知ることができて、レム睡眠時にアラームが鳴るようにセットできるアプリもありますので、それを活用するのもよいでしょう。


(文中の図は全て瀬尾直久監修「身近な心理学」ナツメ社から引用)


 ただし、上記の睡眠サイクル90分とは多数の人々の平均値であり、60分の人もあれば120分の人もあり、また同じ人でも一晩のうちに長くなったり短くなったりもしますので、確定的なものではありません。
 個々人の睡眠サイクルについては、最も心地よい目覚めを迎えられた時間から逆算して経験則として確認しておく必要があります。