伊賀の徒然草

伊賀名張の山中に閑居して病を養う隠者の戯言です。

恩情 (慈しみ)


 「恩情」は、台灣の女歌手林柔均(リン・ロウチュン:生年不肖8月19日-)が、2009年に発表した自身初となる全曲台灣語のアルバム《恩情》に収録している同名の楽曲です。


  台灣語とは、現在台灣の公用語とされている北京語由来の台灣國語或いは台灣華語といわれているものではなく、戦前から台湾の本省人が使用している閩南語由来の言語で、台灣閩南語或いは台語ともいわれています。


 台灣語には、台灣國語同様漢字が使用されていますが、必ずしも語義どおりではなく、音写として使われているものが多々あります。


 この「恩情」の作詞・作曲は共に傑美(詳細不明)という人が担当していますが、その歌詞も、漢和辞典を何冊ひっくり返してみてもよく分からない詩句がある難解なものです。


 歌詞の大意は、異郷に住む子供が、故郷の年老いた父母に思いを致し感謝の念を詠じたものです。


 今回は、伊賀流得意の文脈判断で、大胆に意訳してみました。
 もっと正確な解釈については、博雅の教えを請います。



 恩情
 慈しみ
               作詞・作曲:傑美
黃昏日頭 落山後 想著故鄉父母老
他鄉路 行袂透 遊子暝來哮

夕暮れの太陽が山の彼方に沈んだ後 故郷の年老いた父母のことが想われる
異郷の道を 彷徨い歩きながら 旅行く私はたそがれ時に声を上げる


日來晟阮暝來惜
乎阮飽頓乎阮燒
抱在懷中輕輕叫
當做寶貝直直搖
希望成功倒返去
永遠惦在恁身邊
乎我會凍友孝恁
感謝養育的恩情
啊...情似海 恩像山
請恁著愛保重 等我

「朝が来れば私に光を浴びさせ夜が来れば私を気に掛けてくれた
私がお腹を空かせてはいないか、熱を出してはいないかと
そして私を懐に抱き囁きかけ 
正に子宝として優しく揺り動かしてくれた
私は功を成して故郷に帰ることを希望している 
そして永遠にあなた方の身辺にいて見守っていたい
私は変わらぬ友と会い、あなた方に孝行したい
感謝しています、育ててくれた慈しみの心に
あ~…あなた方の情は海のように深く、恩は山のように高い
どうか体を大切にして、私の帰るのを待っていてください」


(繰り返し)




柔均 - 恩情 (KTV)