草原の輝き( 草地的光輝)
「草原の輝き」(そうげんのかがやき)は、1972年に「ひなげしの花」で、日本での歌手デビューを果たした英領香港出身で英国籍の歌手アグネス・チャン(本名:陳美齡、チャン・メイリン、英名:Agnes Meiling Kaneko Chan、日本名:金子 陳 美齢(かねこ チャンメイリン)、1955年8月20日 - )が、自身3枚目のシングルレコードとして1973年7月25日 に発表した楽曲です。
筆者注:
演唱者のアグネス・チャン(陳美齡)は、優れて努力の人です。
1972年に来日した際には、日本語が一言も話せませんでしたが、それから勉強を重ねて、1974年に上智大学に入学して国際学を専攻しました。その2年後、父親の勧めにより芸能活動を一時中止してカナダのトロント大学に留学(編入学)し社会児童心理学を専攻して1978年に卒業しています。その年の8月に、日本の芸能界に復帰しましたが1986年に元マネージャーの金子力と結婚してカナダ在住中に長男を出産しています。
ところが、彼女の向学心は衰えることが無く、1989年にアメリカのスタンフォード大学の教育学博士課程に留学し1992年6月に終了して1994年に日米両国の男女間格差の実態を研究した論文を提出して教育学博士号を授与されています。なお、アメリカ留学中に次男を出産しています。
1994年の博士号取得後は、日本の目白大学の助教授に就任して国際コミュニケーション学を担当しています。2年後の1996年に香港で三男を出産した後は、日本の共栄大学客員教授として日本全国で公演活動を続けています。
その後、香港で大学教授を務めて主に児童心理に基づく児童教育に関する研究や講義を担当するとともに教育学博士の見地から著した児童教育に関する著書を数多く出版して子育ての大切さを説いています。
彼女の教育理論は確かなようで、彼女の子供3人は全員スタンフォード大学に合格しています。
また、彼女は若い頃から社会貢献活動にも力を注ぎ、1998年に日本ユニセフ協会(=ユニセフ日本国内委員会)が任命しユニセフ(UNICEF「国際連合児童基金」)本部が承認する日本では初めてのユニセフ国内委員会大使(ユニセフ親善大使の一つ)に就任しています。就任後これまでに、タイ、南スーダン、東西ティモール、フィリピン、カンボジア、イラク、スーダン、レソト、モルドバ、インド、中共、ブルキナファソ、ソマリア、ブータン、イスラエル、ナイジェリア、中央アフリカ共和国を公式訪問して、現地の子どもたちの窮状を世界に伝えています。
その功績がユニセフ本部に認められ、2016年3月に、ユニセフの東アジア及び太平洋地域の地域大使である「ユニセフ東アジア太平洋地域親善大使」(UNICEF Regional Ambassador for East Asia and the Pacific Region)に任命されています。
また、日本でもこの長年に亘るユニセフでの児童救済活動への多大な貢献が認められて、「我が国の国際的地位及び児童福祉の向上に寄与」した功績により、2018年春の叙勲で旭日小綬章を受章しています。
現在も、香港と日本を拠点に芸能活動だけでなく教育分野や国際貢献など多方面で活躍している正真正銘の才女です。
なお、「アグネス」とはカトリック教徒としての彼女の洗礼名です。
また、「陳」は北京語では「チェン」ですが、彼女の出身地香港で使われている広東語では「チャン」と読みます。
蛇足ながら、香港の俳優ジャッキー・チェン(陳港生)も本来の読みはジャッキー・チャンですが、日本で初めて映画デビューした当時、「ジャッキーちゃん」という日本語の愛称と被ったのではアクション俳優らしくないということから、敢えて北京語読みの「ジャッキー・チェン」を名乗って現在に至っています。
楽曲「草原の輝き」の曲名は、1961年のアメリカ映画『草原の輝き』』(そうげんのかがやき、Splendor in the Grass)に由来しています。
この映画は、1920年代末期の世界大恐慌前後のアメリカを舞台に、高校3年生の男女の恋愛とそれに反対する家族との葛藤、愛しながらも別れざるを得なかった二人のその後を描いた青春悲恋物語です。
更に、この映画の題名「草原の輝き」とは、この映画の中でも朗読されているイギリスの詩人ウィリアム・ワーズワースの詩の一節「草原の輝き 花々が咲き乱れて素晴らしい光景、もうそれらを見ることができなくなってもあなたは嘆くことはないのです。すでに、あなたは人生の奥深くを分かって前に進んでいるのだから…」から引用されています。
楽曲発表当時、日本語のわからなかったアグネスは、メルヘン調で明るく演唱していますが、歌詞をよく読むと映画のストーリーを踏まえて一抹の寂しさの感じられる楽曲になっています。
アグネスの歌い方も日本語が解るようになってからは変化していますが、今回は、46年前の明るく元気なメルヘン調の原唱でご紹介します。
草原の輝き
草地的光輝
作詞:安井かずみ 作曲:平尾昌晃 演唱:陳美齡
居眠りしたのね いつか
小川のせせらぎ 聞いて
レンゲの花を 枕に
今 目が醒めた
在睡下面睡 什麼時候
小河的淺溪的流水聲有效
向枕頭紫雲英的花
現在醒
恋しい気持ちが 夢で
逢わせてくれた あの人
「君は元気か」と 聞いた
手を振りながら
是因為有親愛的心情夢中
讓我見的 那個人
「你與好嗎?」他聽了
一邊搖手
今 涙をかくして風の中
一人行けば 遙かな
私の好きな 草原
現在我遮住眼淚在風中
只是我一人遙遠地走去
這裡,是我你喜歡的草地
知らずに 遠くまで来た
野イチゴ探して ホント
手かごに持ちきれなくて
ポケットに入れた
我到遠方來了不注意到的期間
尋找野草莓 真的
不進入籃子的那樣變得多
放入了在口袋中
あの人が 帰る時を
指おり数えて 待てば
いつの間にか 夕焼に
辺りは 染まる
那個人返回時
如果彎曲手指數等候
不知什麼時候向晚霞
附近染上
ふと涙が出そうよ 風の中
木霊に呼ぶ 名前は
貴方の好きな 草原
偶然眼淚出來那樣在啊 在風中
叫你的名字的話,回聲返回
這裡,是你喜歡的草地
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